1.はじめに
農林水産省が行う土地改良事業等で実施する工事を一般に土地改良工事等と称しており、その工種は、ダム、頭首工、用排水機場、開水路、管水路、畑地かんがい施設、ほ場整備工など多岐にわたっています。これらの工事の施工形態は、各工種とも、近年の社会環境の変化、土木技術の進展、建設機械の発展・普及などさまざまな要因により変化してきています。
農林水産省は、これらの要因の変化の的確な把握に努め、常に適正な標準歩掛及び諸経費となるよう、毎年、各種要因を考慮して実態調査等を行っております。この実態調査結果に基づき、土地改良事業等請負工事の標準歩掛の改正を行い、令和5年度から適用することとしましたので、ここに紹介します。
2.改正の概要
土地改良事業等請負工事標準歩掛は、農林水産省及び国土交通省の二省で共通する歩掛については二省共同調査歩掛として、また、農林水産省の特有な歩掛については、単独調査歩掛として施工実態調査を行っているところです。これらの調査により、令和5年度土地改良事業等請負工事標準歩掛として111工種を定めており、農林水産省単独歩掛としては、「ダクタイル鋳鉄管機械布設」等24工種の歩掛を見直すとともに、使用実績がない「砂利舗装工」等2工種の歩掛について廃止を行いました。また、国土交通省との二省共同歩掛としては、「鋼製足場」等28工種の歩掛改正を行いました。
3.おわりに
土地改良事業等請負工事の積算基準は、土地改良事業等の請負工事費を算定する上で重要な資料の一つであり、発注者をはじめとし、民間においても請負工事費の積算における標準的な指標として広く活用されています。また、施工パッケージ型積算方式についても、積算作業の省力化、設計価格の透明性向上に効果が期待されていることから、今後一層の拡充を図っていく予定です。
農林水産省では、今後も引き続き施工機械の動向、新技術・新工法等の施工形態の変化等、現場実態を適正に反映した積算基準の改正に取り組んでまいります。