国内の建設工事の統計資料によると、2025年9月の全国の公共工事請負額は、前年同月比で12.5%増加(建設業保証会社)、2025年8月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅が減少したため、前年同月比9.8%減少、民間非居住建築物着工床面積では、事務所、店舗は増加したが、工場及び倉庫が減少となり、13.6%減少(国土交通省)。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が8月の国内出荷量で前年同月比4.6%減少、H形鋼が4.4%減少(日本鉄鋼連盟)、生コンが9月の東京17区出荷量で16.9%減少(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が8月の東京地区出荷量で0.9%減少(日本アスファルト合材協会)となっている。
東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線、軽油の2資材が上伸、異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の8資材が横ばいとなった。
【電線】 IV1.6mm単線でm当たり43.9円と前月比1.4円の上伸。インドネシアの大規模鉱山での事故による影響等を受け、供給懸念が強まったことで銅相場が急伸。メーカー各社は銅価格の高騰を背景として、仕切価格を引き上げたことで市況が上伸した。今後も売り手優位の状況が続く見通しから、目先、強基調の公算大。
【軽油】軽油はローリー渡しでリットル当たり120円と前月比1円上伸。中東情勢の緊迫化を背景に、需給の引き締まり観測が強まり、原油価格は上伸した。これを受けて、元売り各社は段階的に仕切価格を引き上げ、小幅上伸。OPECプラスの一部加盟国による増産の動きから、需給緩和の見方も強まっており、目先、横ばいの見通し。
【異形棒鋼】 横ばい。電力料金や副資材価格の高騰を受け、採算悪化に危機感を抱くメーカー各社は、販売価格の引き上げ。流通筋も数量確保のための安値受注を控え、市場における先安観は薄れた。目先、横ばいの見通し。
【H形鋼】 横ばい。コストの増加を転嫁すべく、一部メーカーは値上げを表明したが、流通各社の安値受注回避にとどまり、価格上昇には至っていない。需要が弱い環境下では、値上交渉の進展に時間を要するとの見方が大勢を占めており、目先、横ばいの見通し。
【セメント】横ばい。大型物件の工事遅延が影響し、出荷減少に歯止めがかからない。メーカーは脱炭素化に向けた設備投資費用の増加を背景に、現行価格の維持に注力している。先行き横ばいの見通し。
【生コン】 横ばい。都心部の再開発事業などの大型物件の工事遅延が影響し、出荷量は13カ月連続で前年同月を下回っている。協組は、今後の値上げについて2026年度は価格を据え置く方針を示した。先行き横ばいの見通し。
【再生砕石】 横ばい。都心部の解体工事物件が落ち着いており、メーカー各社の廃材在庫量は均衡。メーカーは製造・輸送コスト増で値上げの意向も、路盤工事需要の低迷下で需要家は慎重姿勢。先行き横ばいの見通し。
【コンクリート型枠用合板】 横ばい。荷動きは精彩を欠き、市中にひっ迫感はない。流通筋は仕入れコストの増加による収益圧迫を懸念して、売り腰を強めたい意向にあるが、需要低迷下で需要家との交渉はこう着状態。目先、横ばいの公算大。
【再生アスファルト混合物】 横ばい。維持修繕など小規模工事中心で、需要は低調。メーカー各社は、各種コストの上昇による採算悪化に危機感を強めており、製品価格に転嫁すべく交渉を続けている。需要家は度重なる値上げの受け入れには慎重な構え。先行き横ばいの見通し。
【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。需要が低調に推移する中で、メーカー各社は、市中荷余りによる安値流通を避けるべく継続的な生産調整を実施するも、流通筋は現行価格の維持に苦慮しており、先行き弱含みの見通し。