国内の建設工事の統計資料をみると、2022年12月の公共工事請負額は全国で前年同月比8.4%減(建設業保証会社)、11月の新設住宅着工戸数は、持家及び分譲住宅が減少したため全体で1.4%減の減少、民間非居住建築物着工床面積は、工場及び倉庫が減少したため全体で7.3%減(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向では、小形棒鋼が11月の国内出荷量で前年同月比1.8%減、H形鋼が7.7%増(日本鉄鋼連盟)、生コンが12月の東京17区出荷量で1.3%増(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が11月の東京地区出荷量で2.5%増(日本アスファルト合材協会)となっている。
東京地区の主要10資材の価格動向は、軽油が下落。異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、600Vビニル絶縁電線、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の9資材が横ばい。上伸した資材はなかった。
【軽油】 ローリー渡しでリットル当たり116円と前月比1円下落。原油相場は方向感を欠くなか、国内は燃料油価格激変緩和対策により元売りの実質仕切価格の変動は抑えられ、依然として小幅な値動きに留まっている。目先は横ばいの見通し。
【異形棒鋼】 横ばい。メーカー各社は、原油やガスのエネルギー価格高騰による電力料金の上昇を背景に、値上げ交渉を継続。引き続き強い販売姿勢を維持する構えで、目先は強含みの見通し。
【H形鋼】 横ばい。流通各社は値上げ未達分を早期に転嫁したい意向だが、需給のタイト感が乏しいなか高値浸透は困難な状況。需要回復にはまだ時間を要するとの見方が大勢で、目先も横ばいの見通し。
【セメント】 横ばい。メーカー各社は販売価格の引き上げを急いでいるが、主たる需要家の生コンメーカーは製造コスト増に理解を示しつつも、大幅な値上げに慎重な姿勢を崩していない。先行きも横ばいの見通し。
【生コン】 横ばい。協組は4月から2,000円値上げと出荷ベースへの契約方式の見直しなどを表明。販売店は現行価格を維持するとともに、価格改定の周知に努めている。先行きも横ばいの見通し。
【再生砕石】 横ばい。メーカー各社は製造および輸送コストの増加を販売価格に転嫁したい意向だが、在庫調整を目的とした安値販売も散見され、現行価格の維持が精いっぱい。先行きも横ばいの見通し。
【コンクリート型枠用合板】 横ばい。需要好転の兆しが見えない状況下、在庫調整を目的とした安値販売が散見され、加えて為替が円高に進むなど、市中には先安観が台頭している。目先は弱含みの見通し。
【再生アスファルト混合物】 横ばい。ストアス価格の下落を受けて、需要家は値下げ要求を強めているが、メーカーは加熱、保温に使用する燃料代の高騰が著しく採算を圧迫しているとして、値上げの姿勢を崩していない。目先も横ばいの見通し。
【電線】 横ばい。需要家の値下げ要求は依然として厳しいものの、流通各社は現行価格維持に注力し、値下げ要求に応じない姿勢。目先も横ばいの見通し。
【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。流通筋は高炉メーカーによる値上げ未達分を販売価格に転嫁すべく交渉を続けているが、原料価格が下落傾向にある状況下、需要家との交渉は進展していない。先行きも横ばいの見通し。