建設物価調査会

令和8年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定について

令和8年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定について

国土交通省 大臣官房 技術調査課



1.はじめに

 国土交通省では、実態調査等に基づき、必要に応じて、直轄土木工事・業務に適用する積算基準等を改定しています。今般、令和8年度から適用する新基準等として、担い手の確保のための働き方改革・処遇改善、公共工事に従事する者の労働環境の改善や円滑な施工体制の確保など、現場実態を踏まえた各種改定を行いました。本稿では、これらの主な基準改定の概要を紹介します。


2 .直轄土木工事等における主な積算改定項目

 直轄工事における試行を通じて、建設業は完全週休2日を含む週休2日が可能な業界であることを確認しました。今後は、地域の実情や現場の状況等により、多様な働き方が求められている状況を踏まえ、最新の知見・技術を総動員した多様な働き方の実現を目指していきます。(※直轄土木工事は「工事における週休2日の取得に要する費用の計上について(試行)」等による試行は完了)

 また、多様な働き方の一環として、「猛暑対策サポートパッケージ」に基づき、猛暑対策を支援してまいります。


 最新の本社経費の実態を反映し、一般管理費等率を改定しました。

 引き続き、適正な利潤が確保されるよう実態調査を継続していくとともに、公共工事に従事する者に対して適正な額の賃金が支払われるよう、賃金・労働時間等の実態調査の取組を強化してまいります。


 昨今の建設業を取り巻く状況を踏まえ、実施する内容(率計上分)を見直しました。また、より効果的な現場環境改善が図られるよう、実施内容の絞り込みを行うとともに、熱中症対策・防寒対策への充当を強化しました。



 最新の調査実態を踏まえ、上限額を見直すとともに、更なる現場環境改善の推進の観点から、上限基数を撤廃しました。(設置基数は、現場毎に必要性を協議の上、決定)



 資材基地等から現場への移動時間を適切に反映できるよう、令和4年度に調査表の全面見直しを実施しました。

 令和7年度は、トンネル工事や砂防工事等においても現場移動等により作業時間が短くなり、日当たり施工量が減少している傾向が見られたことから、令和8年度の歩掛改定に反映しました。

 また、建設機械を日々回送して使用する工種において、実作業時間が短くなり、日当たり施工量が減少している傾向が見られたことから、歩掛改定に反映しました。

 更に、建設現場の作業管理として行われている作業休止時間が増えたことにより実作業時間が短くなり、日当たり施工量が減少している傾向が見られたことから、歩掛改定に反映しました。


 標準歩掛の適用可否の判断がしやすいように適用範囲及び施工方法などを詳細化しました。
 また、維持修繕等に関係する工種で小規模施工を歩考掛慮等しての歩設掛定改定に反映しました。


3.円滑な施工体制の確保

 令和6年能登半島地震(石川県内)の被災地においては、工事における作業効率の低下が確認されたことから、実態調査結果を踏まえ、歩掛の日当り標準作業量の補正(復興歩掛)を新たに設定します。

 その他、平成23年東日本大震災(岩手・宮城・福島県内)、平成28年熊本地震(熊本県内)の被災地においても、実態調査結果を踏まえ、間接工事費の補正(復興係数)や歩掛の日当り標準作業量の補正(復興歩掛)を設定します。


 保険料については、品確法に適合した保険契約実績が少ないことなどから、当面は受注者(または契約予定者)から当該保険料に関する見積りを徴収し、現場管理費に上乗せ計上することで積算に反映するものとします。


4.その他の現場実態を踏まえた改定等

 以下に示す市場単価3工種については、良好な取引が行われたデータの収集が困難になってきていることから、市場単価方式による単価設定を廃止します。なお、鉄筋工、ガス圧接工は「土木工事標準歩掛」に移行します。
 ①鉄筋工、②ガス圧接工、③軟弱地盤処理工


 維持修繕工事における積算等の改善方策について、受発注者アンケート及びヒアリングを踏まえ、「維持・修繕工事の適切な積算の実施等に向けた留意事項」をとりまとめました。


5.おわりに

 建設業が新4K、「給与がよく、休暇が取れ、希望が持てる」そして「かっこいい」魅力的な産業となり、「地域の守り手」としての重要な役割を担い続けて頂くことが重要です。

 第三次担い手3法の全面施行を踏まえ、担い手の確保、地域建設業等の維持、生産性向上などをより一層推進していくためにも、最新の知見・技術を総動員した多様な働き方の実現の支援に向け、公共工事等の実施の実態等を的確に反映した積算基準等の改定や労働環境の改善に努めてまいります。


建設物価2026年5月号

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