「建設工事施工統計調査」(国土交通省)によると、2024年度の造園工事完成工事高は2,466億円、前年度比-59.2%とこれまでの水準を大幅に下回る減少となっている。考えられる要因は、近年、新規工事が減少傾向にあり、維持管理工事が主体となっていること、さらに、造園工事を建築や土木工事に含めて一括発注し、コスト削減を図る動きも想定され、造園工事の完成工事高が縮小する結果となった。また、就業者数も2023年度51,775人から2024年度16,503人へ-68.1%と造園工事業の担い手も大きく縮減していることも影響を及ぼす一因と考えられる。
造園工事業種が元請で受注している金額は1,180億円と前年度に比べおよそ3分の1に下落する結果となっている。元請比率は47.9%を占め、前年度(54.5%)に比べ低下している(図1)。
また、2024年度の元請完成工事高を発注者別にみると、公共は765億円(64.5%)、民間は415億円(35.2%)となり、公共の発注額が優勢となっている(図2)。1994年度以降に公共の発注比率が60%を超えることはなかったことから、民間における一括発注の動きが顕著に現れていると予想される。


公共工事の全体的状況を、「公共工事前払金保証統計」(北海道・東日本・西日本建設業保証㈱)によって検討する。2025年度の件数は213,003件、前年度に比較し1.9%の減、請負金額は16兆8,495億円、前年度に比べ10.8%増となっている(図3)。発注者別では、市区町村が最も大きく件数で48.5%、請負金額で36.9%を占めている。2番目は都道府県が各々39.8%、28.8%となる。地域別には、関東のウェイトが大きく件数で22.2%、請負金額で30.2%を占める。
公園および道路工事の請負金額について、2025年度の道路部門は4兆328億円、対前年度比96.0%、公園部門は6,088億円、対前年度比90.2%とどちらも減少している(図4)。


「全国屋上・壁面緑化施工実績調査」(国土交通省)によると、2024年に約14.5haの屋上、約4.6haの壁面が新たに緑化された。これまでの累積で、屋上は約633ha、壁面は約131haが整備された。建物用途別にみると、累積で屋上は住宅/共同住宅(121.9ha、19.4%)、商業施設(84.4ha、13.4%)、工場・倉庫・車庫(83.4ha、13.3%)が上位を占めている。壁面は商業施設(37.3ha、28.5%)、工場・倉庫・車庫(20.6ha、15.8%)、事務所(14.2ha、10.9%)の順となる。
屋上緑化に使用される植栽材料の形態別累積面積をみると、複合27.6%、セダムを主に植栽27.1%、芝生を主16.9%などである(図5)。一方、壁面緑化の累計面積は、やはりツル性植物を主73.1%(94.9ha)、複合10.9%(14.2ha)、ツル性を除く草本を主8.1%(10.5ha)となる。

屋上に造成される植栽基盤の厚さをみると、累計面積で5㎝以下25.7%、5~20㎝42.3%、20㎝超31.9%となっている。2019年以降の最近5年間では、各々、22.2%、42.5%、26.2%となり、植栽基盤を配慮する傾向が見られる。
「建設工事受注動態統計調査(大手50社)」(国土交通省)をもとに、民間の建築・土木工事の動向を把握する。2025年度の受注高は15兆5,113億円、民間工事は、不動産業、運輸業、郵便業、サービス業等が増加したため、前年度比13.7%増加し、5年連続で増加している(図6)。
工場緑化の情勢に関連のある「工場立地動向調査」(経済産業省)によると、2025年の製造業等の新設工場の立地件数は736件で、前年(854件)と比較すると13.8%の減、立地面積は1,196ha、前年(1,982ha)に比べ39.7%の大幅減となる。立地件数を敷地面積規模別にみると、工場立地法による一定の緑地面積整備を求められ、「全国緑の工場大賞」(緑化優良工場等表彰制度、(一財)日本緑化センター)の対象となる敷地面積9,000㎡以上の工場は、少なくとも3割を上回る数(敷地面積1万㎡以上の259件、35.2%)を見込める(図7)。


緑化樹木の供給可能量
2025年度の供給可能量は3,421万本となり、対2024年度比(3,614万本)94.7%と7年連続の減少となっている。形態別内訳は、グラウンドカバープランツ(GCP)が最も多く全体の5割弱(48.7%)、次にコンテナ樹木がおよそ2割強(21.7%)、3番目に低木常緑樹が2割弱(17.1%)の順となる(図8)。露地栽培物のシェアが29.6%に対し、コンテナ栽培物のシェアは70.4%、3対7を維持している。高中木本数の形態別内訳は、おおむね常緑広葉樹5、落葉広葉樹3、針葉樹2の割合を保っている。
主な形態について種類別の内訳をみると、GCPでは、タマリュウ301万鉢(GCP全体の18%)、シバザクラ類162万鉢(同10%)、コグマザサ91万鉢(同6%)、さらに、フイリヤブラン80万鉢(同5%)、リュウノヒゲ70万鉢(同4%)の順となる。
コンテナ樹木は、シャリンバイ39万鉢(コンテナ樹木全体の5%)、マホニア・コンフューサ23万鉢(同3%)、セイヨウベニカナメモチ19万鉢(同2.6%)、シラカシ18万鉢(同2.4%)、ハマヒサカキ16万鉢(同2.2%)が上位を占めている。
低木常緑樹ではサツキ200万本(低木常緑樹全体の34%)、オオムラサキツツジ97万本(同17%)、ヒラドツツジ72万本(同12%)、キンメツゲ28万本(同5%)、カンツバキ18万本(同3%)が上位5樹種を構成している。サツキは2018年度まで400万本台、19・20年度に300万本台、21年度以降200万本台へ供給力を下げている。
なお、GCPのタマリュウは鉢径7.5㎝、5芽立の規格の他に、マット栽培による供給(露地4,420㎡、コンテナ26,826㎡)も行われている。
2025年度の総数は前年度に対し5.3%の減少となり、対2024年度比は露地物が95.2%、コンテナ物は94.4%に減少している(図9)。2025年度のコンテナ物の対前年度比の内訳は、コンテナ樹木91.3%、GCP95.9%となり、これらの減産が全体の動きに影響している。


世界が竹の役割に目を向ける1)
竹は南米、アフリカ、アジアで数千年にわたり建築材料として利用され、多くの国で豊富に生育している。近年、研究や実験室での衝撃試験によって、耐震性が広く認識され、世界中の建設プロジェクトで、エンジニアや建築家が鉄鋼に匹敵すると評価するこの天然素材の活用が始まっている。
竹は人々を地震から守る
2016年4月にエクアドルを襲ったM7.8の地震により、沿岸都市マンタは甚大な被害を受け、中心商業地区タルキは完全に破壊された。地震発生時の震源地となった海岸沿いには、竹造の東屋の下に魚市場が建ち、観光案内所、レストラン、消防署もすべて竹で建てられていた。マンタ市内とその周辺のマナビ州には、数百軒もの伝統的な竹造の家屋が地震に耐え今もなお残っている1)。
研究によると、竹は強風に耐えるほどの延性を持ち、地震の衝撃も吸収できることが示されている。「延性」は壊れることなく引き伸ばされる性質をいい、伝統的な竹構造の性能は構造物の状態や建設方法に左右されるという2)。
マナビ州で1,200棟以上の建物を対象に行われた現地調査チーム(EEFIT)による地震後の調査では、鉄筋コンクリート造の建物は木造や竹造の建物よりも全体的に被害が大きかったという3)。
2021年に国際竹籐機構(INBAR)はスペイン国際開発協力庁(AECID)の支援を受けて、地震により被災したマナビ州で持続可能な建築手法として竹建築を普及させる「竹持続可能な建築ワークショップスクール(ETCSB)」を開設し、マナビ大学の学生たちは、持続可能な竹の管理、職場の安全、プロジェクト計画、建設規制、プロジェクトの実行、仕上げ、竹建築のメンテナンスについて研修を受けた。ETCSBの卒業生は245名に達し、エクアドル労働省が発行する労働能力証明書を取得している(INBARは、1997年設立の竹と籐を用いた環境的に持続可能な開発を促進する政府間開発機関、52の加盟国で構成、本部は中国・北京)4)。
バハレケ(Bahareque)という伝統工法
竹で作られる住宅は、バハレケと呼ばれる伝統的な建築方法に着想を得ており、竹造のパネルを粘土などの層で覆う工法である(図)。

バハレケは、グアデュア属の竹を材料とするもので、約30種ある中で、コロンビア原産のGuadua angustifoliaは、並外れた物理的特性から最も重要な種である(写真)。バハレケの構造は、竹の稈を使いフレーム状のパネルを形作る。このパネルに粘土やモルタルを充填し建物の壁面を建造する。適切な手入れをすれば、バハレケの家は長持ちし、竹材を交換する必要が生じるまで少なくとも30年の寿命がある。

主にアンデス諸国(コロンビア、エクアドル、ペルー)で構造的健全性に関する経験的手法や調査が行われ、設計に利用できるガイドラインや基準が「エンジニアード・バハレケ住宅の設計ガイド-INBAR(カミンスキーら、2016年)」など、いくつか存在する5)。
そもそも、研究者が竹に本格的に注目し始めたのは、20世紀初頭のことである。1999年、マグニチュード6.2の地震がコロンビア中西部のコーヒー栽培地域を襲った後、調査者は、地震と続く138回の余震に耐えたバハレケ構造の建物が、レンガやセメントブロックなどの石材で建てられた建物よりも高い割合で存続したことを見出した6)。
竹などの再生可能で低炭素な建築材料の研究開発と世界規模での普及に取組むベース・バハイ財団(Base Bahay)統括マネージャーのL.F.ロペスは、改めて竹の構造特性に関する研究が不足していることに気付かされた。この地震をきっかけに、コロンビア政府はロペスを含む専門家を招き、バハレケ建築に用いられるグアデュア竹の特性を調査させ、その結果をもとに、2010年に竹建築に特化した建築基準を制定した最初の国となった7)。
竹建築は気候変動への対応策
竹林は驚くほど成長が早く、炭素吸収源として働き、放出する炭素量よりも吸収する炭素量が多い。例えば、モウソウチク林の炭素隔離量は1ha当たり5.09トン、モミの1.46倍、熱帯雨林の1.33倍となる。竹は植栽後3~4年で収穫を開始し、その後は毎年同じ量の収穫が得られる。貯蔵された炭素は、収穫された竹製品やバイオ炭に変換することで土壌中などに長期間容易に維持できる。さらに、コンクリートや鉄鋼などの建材ではなく竹で建造することで、建物の建設に伴う炭素排出量を大幅に削減できる。加えて、竹は安価で、多くの国において現地調達が可能である8)9)。
Base Bahayイノベーションセンターの S.カミンスキーは、伝統的なバハレケを応用して現代の資材と建築技法を用いて設計する複合竹耐力壁(Composite Bamboo Shear Walls:CBSW)を推奨する。CBSWは、木材や大径の竹で作られたフレームの上に、籐、小径の竹、平らにした竹、竹の細片、エキスパンドメタルなどの様々な材料で作られたマトリックスを釘で打ち付けて構成される。フレームとマトリックスは、セメントまたは石灰モルタルで仕上げられ、堅牢な耐力壁となる。過去30年以上にわたり、現代的なCBSWを利用している少なくとも4,000棟の1階および2階建て家屋が世界中の様々な国々で成功のうちに建設されている-コスタリカ、コロンビア、ネパール、エクアドル、ペルー、メキシコ、エルサルバドル、フィリピンなど10)。
1999年のコロンビア地震以降、竹建築に関する基準は、国際標準化機構の「ISO 22156_2021-竹構造物-竹稈-構造設計」に採用された。ペルー、エクアドル、バングラディシュ、インド、メキシコの各国政府はさらに国の竹基準を開発し、フィリピン、ネパールは現在作成中である11)。
「伝統的な竹建築の利点は、軽量であるため地震の衝撃を比較的受けにくく、ある程度のエネルギーを吸収でき、柱同士をしっかりと固定できる点にある。重要なのは、軽量であるため、倒壊しても居住者の生命に対する安全上のリスクが低いということだ。」とカミンスキーは指摘する1)。
竹は迅速な救援物資
パキスタンの建築家ヤスミン・ラリは、災害後の救援住宅建設に竹を用いる先駆者である。2015年にアフガニスタン北部を襲った地震後に、ラリ・オクタグリーン(LOG)と呼ばれる6~7人で数時間以内に建設できるプレハブ式の竹製シェルターを建設した。ラリに協力したパキスタン・ヘリテージ財団は、一棟当たり108ドルの費用で、これらの緊急避難住宅の建設費用を全額補助した。ラリはさらにパキスタンで超低コストの竹製住宅の設計に着手した。それは、土レンガ造りの建物に竹の屋根と壁の中に竹を組み込んだもので、地元で入手可能な材料のみを使用し、鉄骨を必要としない構造だった。これらの建物は、2022年の洪水でパキスタンの国土の3分の1が水没した後、洪水に強い災害避難所として使用された12)。
ラリが木材の継ぎ合わせ建築(伝統的なダジ工法)にヒントを得て建設した住宅は、世界銀行が建設する救援住宅1戸あたりの費用の10分の1以下(パキスタンにおける1部屋住宅の再建費用は約1,400~1,600ドル)となる1)。
世銀が2022年12月に公表したパキスタンの「シンド州洪水緊急住宅再建プロジェクト」では、洪水被害を受けた選定地域において、持続可能で多災害に強い住宅35万戸を建設または改修する。住宅建設には補助金が支給され、強化された耐災害基準を満たし、地域の嗜好や入手可能な資材を反映した住宅建設の実現を目指すものとなる13)。
竹の生み出す利用価値はさらに研究と実証が進み、高められることを期待したい。INBARのP.J.エストラレの“竹は『賢者の森』”という言葉が雄弁に物語っている。
参考文献
1)Nick Aspinwall(2025)’Nature designed it to bend’:The bamboo buildings that sway in earthquakes、https://www.bbc.com/future/article/20251028-the-bamboo-buildings-that-sway-in-earthquakes
2)S. Kaminski et. al(2024)Seismic performance of whole culm bamboo structures and recommendations for design using ISO 22156、https://www.researchgate.net/publication/382248679_Seismic_performance_of_whole_culm_bamboo_structures_and_recommendations_for_design_using_ISO_22156
3)EEFIT(2018)THE MUISNE, ECUADOR EARTHQUAKE OF 16 APRIL 2016 A FIELD REPORT BY EEFIT、https://www.istructe.org/IStructE/media/Public/Resources/report-eefit-mission-muisne-ecuador-20180910.pdf
4)INBAR MANABI WORKSHOP SCHOOL、https://www.inbar.int/project/manabi-workshop-school/ Stephy Chung
5)Fernando Mite-Anastacio et.al(2022)Structural behavior of cemented bahareque for social housing:A case study in Guayaquil City, Ecuador、https://www.frontiersin.org/journals/built-environment/articles/10.3389/fbuil.2022.922397/full
6)COLOMBIANO(2009)El terremoto fue una gran aula、https://www.elcolombiano.com/historico/el_terremoto_fue_una_gran_aula-HHEC_28924
7)Ministry of Environment, H. a.(2010)Colombian earthquake resistant construction regulations-Title G-wood structures and Guadua structures. Bogota:Government of Colombia.
8)Arun Kumar Dwivedi et. al(2019)Bamboo as a complementary crop to address climate change and livelihoods-Insights from India、https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1389934118304891
9)Peiyu Xu et.al(2022)Are bamboo construction materials environmentally friendly? A life cycle environmental impact analysis、https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195925522001196
10)Sebastian Kaminski et. al(2024)Preliminary strengths, stiffnesses and ductilities for various composite bamboo shear wall systems、https://www.researchgate.net/publication/382248402_Preliminary_strengths_stiffnesses_and_ductilities_for_various_composite_bamboo_shear_wall_systems
11)ISO(2021)ISO 22156:2021 Bamboo structures-Bamboo culms-Structural design、https://www.iso.org/standard/73831.html
12)Stephy Chung(2022)These bamboo shelters are empowering communities displaced by Pakistan’s floods、https://edition.cnn.com/style/article/pakistan-floods-bamboo-shelters-climate-intl-hnk
13)worldbank(2022)Factsheet:Sindh Flood Emergency Housing Reconstruction Project、https://www.worldbank.org/en/news/factsheet/2022/12/19/factsheet-sindh-flood-emergency-housing-reconstruction-project
