建設物価調査会

令和8年度土木工事標準歩掛の改定概要④

令和8年度土木工事標準歩掛の改定概要④

国土交通省 大臣官房 参事官(イノベーション)グループ
施工企画室


 24工種の制定・改定概要について、2026年8月号に続き、以下のとおり紹介します。


(20)トンネル濁水処理工


① 工法概要

 トンネル工で発生する濁水について、水質汚濁防止法及び都道府県条例で規定された水質基準値以下になるまで処理する濁水処理設備の設置・撤去及び保守管理を行う工法です。

② 主な改定概要

1)適用範囲

 トンネル(NATM工法)及びシールドの濁水処理工に適用する。

 濁水処理設備は機械処理脱水方式とし、濁水処理設備能力30・60m3/hに適用する。

 濁水処理設備には原水槽、炭酸ガス中和処理装置(凝集沈殿前)、無機凝集剤注入設備、高分子凝集剤注入設備、凝集攪拌設備、シックナ(処理槽)、監視装置(自動測定記録装置)、スラリ槽および、それらに関連する配線・配管を含むものとする。

 なお、排出水に含まれる浮遊物質量(SS)の日間平均が50mg/L程度となる能力を有する濁水処理設備を想定している。

 ただし、高濃度の有機性排水や土壌由来の有機物を非常に多く含む場合等、上記の処理設備では対応が困難で、前処理設備(原水槽の前に設ける沈殿池等)、酸液中和処理装置(凝集沈殿前)、中和処理装置(凝集沈殿後)、油除去設備、重金属処理装置、ろ過設備、生態試験設備が必要となる場合は、別途考慮する。

 使用薬剤は、無機凝集剤、高分子凝集剤、炭酸ガスの3種類使用を標準とする。なお、使用量については、別途計上する。

2)施工概要

 トンネル濁水処理工の施工フローは、図-1のとおりである。

3)施工歩掛

【濁水処理設備設置・撤去】

(注)1.上屋の設置・撤去及び設備の基礎については、上記歩掛に含まない。
   2.上記歩掛には、設備の調整に要する費用を含む。
   3.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   4.上屋が必要な場合は、土木工事標準歩掛「トンネル工(NATM)〔発破工法〕-工事用仮設備の計上」による。

【濁水処理設備運転】

 濁水処理設備は、賃料とする。

【濁水処理設備の保守点検】

(注)1.濁水処理設備の保守点検は、濁水処理設備運転日に1回実施を標準とする。
   2.保守点検は、濁水処理設備の日常の運転にかかわる全ての保守・点検を含む。
   3.諸雑費は、泥土(脱水ケーキ)の積込み機械及び大型土のうの材料に要する費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

【泥土運搬】

 泥土(脱水ケーキ)運搬の歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.泥土運搬は、濁水処理設備運転日に1回実施を標準とする。
   2.運搬距離が60kmを超える場合は、別途考慮する。(運搬距離は片道であり、往路と復路が異なる場合には平均値とする。)
   3.本歩掛は、泥土の残土受入れ地等までの運搬のみであり、残土受入れ地等での処理及び廃棄料等が必要な場合は、別途計上する。
   4.上表が適用出来るのは、土砂として運搬及び処理が可能な場合であり、それ以外の場合は、別途考慮する。


(21)トンネル工(NATM)仮設備工(防音扉工)


① 工法概要

 トンネル工事(発破工法等)の施工において、周辺集落への騒音等の影響を軽減するため、トンネルの坑口付部に防音扉を設置し、環境対策を行う工法です。

② 主な改定概要

1)適用範囲

 発破工法等で環境対策として内空断面積40m2以上120m2以下のトンネルの防音扉を坑口付部に設置する場合に適用する。

2)施工概要

 トンネル工(NATM)仮設備工(防音扉工)の施工フローは、図-2のとおりである。

3)施工歩掛

(注)1.上表の歩掛には基礎の設置及び充填材の投入・打設作業も含む。ただし、防音扉本体・基礎・充填材等の材料費及び基礎の設置・充填材等の投入・打設作業に使用する機械経費については、別途計上する。
   2.諸雑費は、溶接機、溶接材料の費用であり、上表の労務費の合計額に諸雑費率を乗じた金額を上限として計上する。
   3.高所作業車及びラフテレーンクレーンは賃料とする。


(22)PC橋架設工


① 工法概要

 プレキャスト工法で製作し、架設地点まで搬入したプレキャストコンクリート桁(PC桁)について、トラッククレーン又は架設桁設備を使用して架設する工法です。

② 主な改定概要

1)適用範囲

 プレストレストコンクリート桁〔A又はB活荷重桁〕(プレテンション桁及びポストテンション桁)の架設、横組及びPCコンポ桁のPC板工、床版工に適用する(少数主桁及びPCコンポ桁を含む)。なお、本資料は、標準的な架設条件を前提としているので、特殊な架設条件の場合又は本資料による架設工法によらない場合は、架設設計のうえ別途考慮する。

2)施工概要

 PC橋架設工の施工フローは、図-3、4のとおりである。

3)トラッククレーンによる架設

【適用範囲】

 トラッククレーンによるプレテンション桁及び桁質量160t未満のポストテンション桁の架設工事に適用する。

 なお、本資料は、A又はB活荷重桁に適用する。

【トラッククレーンによる架設歩掛】

(注)1.本歩掛は、現場まで搬入されたトラッククレーンにより桁運搬車又は仮置き場から直接吊上げ、所定の位置に架設出来る場合のものであり、架設現場までの小運搬(2次運搬)を伴う場合は、小運搬作業を別途計上する。
2 .トラッククレーン、トレーラ等の運搬路及び足場の整理に要する費用が必要な場合は、別途計上する。
3 .本歩掛は、架設高さ10m程度、作業半径は橋梁下からの架設の場合は10m程度、橋台背面からの架設の場合は8~18m程度を標準とし、現場条件により架設用トラッククレーンの規格が上表により難い場合は、現場条件に適した規格のトラッククレーンを選定する。
4.トラッククレーンは、賃料とする。
5 .A又はB活荷重桁の架設においては、型枠及び桁下足場の支持方法は、インサート及びボルトによるものとする。
6 .桁1本当りの質量において該当質量がない場合は、1ランク上の質量区分を適用する(なお、上表の桁の規格は参考としてB活荷重桁を記載したものである)。
7.架設工具損料は計上しない。

【重量台車による桁小運搬】

 製作場又は、桁仮置き場から架設地点まで、軌道により重量台車で小運搬する作業に適用する。

 ・桁小運搬配置人員及び小運搬質量

(注)1.桁の現場内小運搬は200m程度とする。200mを超える場合又は方向転換を行う場合は、別途考慮する。
   2.発動発電機を使用する場合のみ特殊作業員1名を計上する。
   3.諸雑費は、電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

・軌道工

 軌道の設置・撤去にかかる歩掛は、「軌道設置・撤去歩掛」による。

・電力量等消費量

 1日当り3時間とする。横取り引出しに使用する機械・規格は、次表を標準とする。

・機械器具損料

 横取り引出し設備、軌道設備(重量37kg/m)、架設工具については、「建設機械等損料算定表(鋼橋・PC橋架設用仮設備機器)」により供用日当り損料を計上する。

供用日数は、次式による。

 供用日数=現場内小運搬日数×供用日数率(1.7)

4)架設桁による架設

【適用範囲】

 架設桁(下路式1組桁、上路式1組桁)によるポストテンション桁(支間長20~45m)の架設工事に適用する。

【架設桁によるポストテンション桁架設歩掛】

(注)1.上表は、桁製作場又は桁仮置き場から横取り、台車積込、架設場まで桁を引出し(約200mまで)、架設、横取り及び据付けまでの一連作業の場合である。
   2.重量台車に積込む方法として横取り装置を標準とするが、地形等の関係で別に門型クレーン、ケーブル等を必要とする場合は、別途考慮する。
   3.桁の現場内小運搬に際し、直線距離200mまでとしているが、桁の方向変え等を行う場合は別途考慮する。
   4.1日当り架設質量は、プレキャストセグメント桁の場合、( )内の数値を適用するものとする(少数主桁及びPCコンポ桁を含む)。

【架設機械据付・解体歩掛】

(注)1.ラフテレーンクレーンは、油圧伸縮ジブ型・排出ガス対策型(2014年規制)最大吊上能力50t吊を標準とするが、現場条件によりこれにより難い場合は、別途考慮する。
   2.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   3.上表は、架設桁の据付・解体、トラワイヤの取付け、取外し及びウインチの据付・解体作業の場合である。

【架設機械移動歩掛】

【軌道設置・撤去歩掛】

(注)1.ラフテレーンクレーンは、油圧伸縮ジブ型・排出ガス対策型(第3次基準値)最大吊上能力25t吊を標準とするが、現場条件によりこれにより難い場合は、別途考慮する。
   2.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   3.上表は、主桁引出し用軌道の設置・撤去作業である。
   4.軌道(重量37kg/m)の100m設置・撤去所要日数は、3.5日である。

【アンカー工】

 アンカー工は、架設設計により計上する。アンカーを土中に設置する場合は、次表を標準とする。

 アンカーを既設構造物に設置する場合は、次表を標準とする。

(注)1.諸雑費は、アンカーボルト、固定金具、ワイヤー、復旧のための材料費、電動ハンマドリル及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

【架設機械器具経費】

・機械器具費

架設機械(架設桁、桁吊装置、横取り・引出し、軌道)器具費は、「請負工事機械経費積算要領」による。

供用日数は、次式による。

 供用日数=(架設工日数+架設桁据付・解体日数+架設桁移動日数)×供用日数率

 供用日数率=1.8

 供用日数が、架設時期、地域条件等により上記により難い場合は、別途考慮する。

・諸雑費

 諸雑費は、桁吊り門構移動装置損料、架設工具等の費用及び電力に関する経費等の費用であり、架設機械器具費の合計額に次表の率を乗じた金額を上限として計上する。

5)横組工

 横組工とは、横桁(中埋コンクリート)、間詰床版及び横締の一連作業で、次図による。

【鉄筋工】

・鉄筋加工・組立

 間詰床版及び横桁の鉄筋加工・組立歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.本歩掛は、現場内小運搬を含む。
   2.諸雑費は、結束線、溶接棒及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

・鉄筋使用数量

 鉄筋の使用数量は次式とし、スクラップ控除はしない。

 使用数量(t)=設計数量×(1+K) K:ロス率(+0.05)

【コンクリート工】

 横組の型枠及びコンクリート作業に適用し、PC合成桁橋の床版は含まない。

・打設工法

 打設工法は、コンクリートポンプ車による打設を標準とする。

・コンクリートポンプ車の規格

 コンクリートポンプ車の規格は、「トラック架装・ブーム式・圧送能力90~110m3/h」を標準とする。

・コンクリート工歩掛

 型枠の製作、設置・撤去、コンクリートポンプ車による打設及び養生歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.プレテンション床版桁、ポストテンション床版桁の使用材料として、埋設型枠、埋設型枠端部を別途計上する。
   2.埋設型枠のロス率は0.05とし、使用数量は次式による。使用数量=設計数量×(1+ロス率)(m)
   3.コンクリートポンプ車の運転時間はコンクリート10m3当り1.5時間とする。
   4.本歩掛はブーム打設を標準としているが困難な場合、又は現場条件により配管打設が適する場合は、上記歩掛にて配管打設も適用出来る。なお、配管式コンクリートポンプ車の規格は、90~100m3/hとする。
   5.配管打設の場合の圧送管組立・撤去労務(30m以下)を含むものとし、30mを超える場合は、施工パッケージ型積算基準「コンクリート工」による。
   6.ブーム打設は、打設高さ15m以下、投入水平距離15m以下の場合に適用する。
   7.1日当り打設量は、40m3を標準とする。
   8.プレテンションT桁、ポストテンション桁(床版桁除く)の諸雑費は、型枠用材料、はく離剤、養生マット及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。
   9.プレテンション床版桁、ポストテンション床版桁の諸雑費は、養生マット及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。
   10.養生については、養生覆材の被覆・水散布養生を標準とする。養生面積は、間詰床版の面積とする。給熱養生等の特別な養生を必要とする場合の普通作業員の歩掛及び諸雑費率は、( )内の数値とし、養生費用は別途計上する。

・コンクリート使用数量

 コンクリートの使用数量は、次式による。

 使用数量(m3)=設計数量×(1+K) K:ロス率(+0.05)

【PC工】

・PC工歩掛

 ケーブルの切断、シースの組立、ケーブルの挿入、整正、グラウト注入歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.ケーブル延長は、定着装置内面間の実延長とする。
   2.諸雑費は、PC工にかかわる材料費(鋼製シース、グラウト材(超低粘性型)、グラウトホース、ビニルテープ等)、機械器具費(グラウトポンプ、グラウト流量計、水槽、空気圧縮機等)及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

・PCケーブル使用数量

 PCケーブルの使用数量は、次式による。

 使用数量(m)=設計数量×(1+K) K:ロス率(+0.05)

(注)ロス率はPCケーブルの切断ロス、つかみ代等の補正でありスクラップ控除はしない。

【緊張工】

・緊張工歩掛

 定着装置の設置、緊張、モルタルあと埋め作業の歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.緊張は片締めを標準とする。
   2.諸雑費は、電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

・使用材料

 使用材料として、定着装置を別途計上する。

・機械器具損料

 機械器具損料は、次表を標準とする。

 H=n/N×K×1.7
n:1径間片締め本数
N:1日当りの片締め本数
  1日当りの片締め本数は,27本を標準とする。
K:1工事の径間数

【足場工及び防護工】

・足場工(桁下足場)

 桁下足場工は、パイプ吊足場を標準とし、足場工費は、次式による。

 なお、工費には側部(朝顔)等の費用も含まれている。

 足場工費(円)=((L1×α)+(L2×β)X+Ny)×A

L1、L2:賃料係数(表22.18、表22.19)
α:主要部材の基本料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本、足場チェーンφ6×4m1本)
β:主要部材の月当り賃料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本、足場チェーンφ6×4m1本)
X:桁下足場を供用している月数(月)
N:歩掛係数(表22.18、表22.19)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
A:橋面積(m2)=W×L
W:全幅員で地覆外縁間距離、壁高欄の場合は壁高欄外縁間距離(m)
L:橋長(m)

(注)Nは、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。

賃料係数(L1、L2)、歩掛係数(N)は、表22.18、表22.19を標準とする。

・足場工(側部足場)

側部足場工の足場工費は、次式による。

 足場工費(円)=((1.24×α)+(0.87×β)X+0.27y)×L

α:主要部材の基本料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本)
β:主要部材の月当り賃料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本)
X:側部足場を供用している月数(月)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
L:足場総延長(m)

(注)yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。

・足場工(橋台・橋脚回り足場ブラケット) 橋台・橋脚回り足場ブラケット工の足場工費は、次式による。

 足場工費(円)=((12.68×α)+(4.76×β)X+0.41y)×L

α:主要部材の基本料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本)
β:主要部材の月当り賃料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本)
X:足場ブラケットを供用している月数(月)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
L:足場総延長(m)

足場延長は、次式による。

 1橋脚当り足場延長(m)=(橋脚幅+橋脚長)×2
 1橋台当り足場延長(m)=橋台幅+橋台長×2

(注)yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。

・防護工(板張防護工)

桁下に鉄道、道路等があり、第三者に危害を及ぼす恐れのある場合に設置し、足場工(桁下足場)で求めた桁下足場工費に別途計上する。

なお、工費には、側面防護(朝顔)の費用も含む。

 防護工費(両側朝顔)=((0.36×α)+(0.49×β)X+0.06y)×A
 防護工費(片側朝顔)=((0.28×α)+(0.37×β)X+0.05y)×A

α:主要部材の基本料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本、足場チェーンφ6×4m1本)
β:主要部材の月当り賃料(合板足場板0.24m×4m1枚、足場パイプφ48.6×1m1本、足場チェーンφ6×4m1本)
X:防護部を供用している月数(月)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
A:防護工必要橋面積(m2)=W×L
W:全幅員で地覆外縁間距離、壁高欄の場合は壁高欄外縁間距離(m)
L:防護工必要長(m)

(注)yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。

・防護工(ワイヤーブリッジ防護工)

主桁を架設桁を用いて架設する場合に、転落防止及び落下物防止の目的で設置する。ワイヤーブリッジ防護工は、土木工事標準歩掛「鋼橋架設工」による。

・防護工(ネット防護工)

主桁をトラッククレーンを用いて架設する場合に、転落防止及び落下物防止の目的で設置する。ネット防護工費は、次式による。

 ネット防護工費=((1.19×α)+(1.19×β)X+0.02y)×A

α:主要部材の基本料(安全ネット 網目15mm1枚)
β:主要部材の月当り賃料(安全ネット 網目15mm1枚)
X:防護部を供用している月数(月)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
A:橋面積(m2)=全幅員×橋長

(注)yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。

・登り桟橋工

 登り桟橋工は、土木工事標準歩掛「鋼橋架設工」による。

6)支承工

【機種の選定】

 ゴム支承据付に使用する機械・規格は、次表を標準とする。

(注)1.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   2.ゴム支承Bタイプのみ上記機械を計上する。また現場条件より、これにより難い場合は別途考慮する。

【施工歩掛】

 ゴム支承据付歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.ゴム支承Aタイプには、アンカーバー、アンカーキャップ、スパイラル筋等の据付け、はつり工、無収縮モルタル充填を含む。
   2.ゴム支承Bタイプには、はつり工、無収縮モルタル充填を含む。
   3.無収縮モルタル材料は、別途計上する。

【諸雑費】

 諸雑費は、支承の据付けに使用する工具等損料及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に次表の率を乗じた金額を上限として計上する。

7)落橋防止工

【機種の選定】

 落橋防止装置据付に使用する機械の機種・規格は、次表を標準とする。

(注)1.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   2.現場条件より、これにより難い場合は別途考慮する。

【施工歩掛】

 PC鋼棒又はケーブルによって連結される落橋防止装置据付歩掛は、次表を標準とする。

【諸雑費】

 諸雑費は、落橋防止装置据付に使用する工具等損料及び電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に次表の率を乗じた金額を上限として計上する。

8)PC板工(PCコンポ桁のみ)

 PC板工とは、PC板支承工、PC板仮置工、PC板敷設工、継目工の一連作業で、その内訳は次のとおりである。なお、PC板仮置工は、必要な場合に計上する。

【PC板支承工】

 PC板と主桁のなじみを得るため及び床版コンクリート打設時の漏れを防ぐために、支承工用目地材、無収縮モルタルを主桁上に打設する作業であり、PC板支承工歩掛は、次表を標準とする。

(注)諸雑費は、ハンドミキサ、電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

【PC板仮置工】

 現場に搬入されたPC板を積載車両から取卸し、一度仮置きした後に敷設する場合に計上するものとし、積載車両を搬入後も待機させる等により直接敷設することが可能な場合は計上しない。PC板仮置工歩掛は、次表を標準とする。

(注)上表の機械・規格を標準とするが、現場条件によりこれにより難い場合は別途考慮する。なお、ラフテレーンクレーンは、賃料とする。

【PC板敷設工】

 PC板を敷設する作業であり、PC板敷設工歩掛は次表を標準とする。

(注)1.橋梁の側面又は橋台背面より敷設できる場合に適用する。
   2.上表の機械・規格を標準とするが、現場条件によりこれにより難い場合は別途考慮する。なお、ラフテレーンクレーンは、賃料とする。

【継目工】

 PC板とPC板の継目に無収縮モルタルを充填する作業であり、継目工歩掛は次表を標準とする。

(注)諸雑費は、ハンドミキサ、電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

9)床版工(PCコンポ桁のみ)

 床版工とは、型枠工、鉄筋工、コンクリート工、養生工の一連作業で、その内訳は次のとおりである。

【型枠工】

 床版の張出部及び端面部の型枠製作ならびに設置・撤去作業であり、型枠工歩掛は次表を標準とする。

(注)諸雑費は、型枠用合板、正割材、正角材、インサート、ボルト、はく離剤、セパレータ、フォームタイ、パイプの損料及び張出床版部足場等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた額を上限として計上する。

【鉄筋工】

 床版部の鉄筋加工・組立作業(現場内小運搬を含む)である。

 鉄筋工は、土木工事標準歩掛「鉄筋工」による。

【コンクリート工】

 床版にコンクリートを打設する作業である。コンクリート工は、施工パッケージ型積算基準「コンクリート工」による。

【養生工】

 床版コンクリート打設後の養生作業である。

 養生工は、施工パッケージ型積算基準「鋼橋床版工-養生(鋼橋床版)」による。


(23)架設支保工


① 工法概要

 場所打ちコンクリート床版橋の製作において、打設したコンクリートが十分な強度に達するまで、橋体を一時的に支えておく工法です。

② 主な改定概要

1)架設支保工法の選定

2)施工概要

 架設支保工の施工フローは、図-9のとおりである。

3)くさび結合支保工

【適用範囲】

 本資料は、場所打ちによるコンクリート床版橋(箱桁を含む)で、1セット当り23,000空m3以下、支保耐力19.6kN/m2(2.0t/m2)以上78.5kN/m2(8.0t/m2)以下、支保高さ0.6m以上13.4m以下のくさび結合支保の設置及び撤去に適用する。

(注)1セットとは、単純桁の場合は1径間、連続桁を一括施工する場合は全径間、分割施工する場合は分割施工する当該径間を含む1連続をいう。

【機種の選定】

(注)1.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。
   2.現場条件により、これにより難い場合は、別途考慮する。

【施工歩掛】

・1セット当り施工量(V)は、次式による。

 V(空m3)=(W+2.4)×H×L …式-1

W:地覆外縁間距離(m)

H:平均桁下高さ(m)

L:1セット当り施工延長(m)

※開口部等を必要とする場合の1セット当り施工量(Vm) Vm=(式-1)-(式-2)(空m3)

・支保耐力(P)は、次式による。

 P(kN/m2)=(2.81×d+0.4)×W/Wl×9.80665

d:平均コンクリート厚(m)

W:地覆外縁間距離(m)

W₁:中央床版幅(m)

・くさび結合支保設置・撤去工歩掛

(注)1.設置及び撤去の合計であり、構成は、設置55%、撤去45%である。
   2.橋側足場、張出部支保、昇降設備施工労務を含む。
   3.くさび結合支保仮設材賃料は、別途計上する。

・基礎用鋼材設置・撤去工歩掛

 地盤の不陸や不等沈下に対し必要に応じて、鋼材を敷並べることで防止する場合の歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.設置及び撤去の合計であり、構成は、設置63%、撤去37%である。
   2.鋼材(鋼矢板Ⅱ型)の修理費及び損耗費は、別途計上する。
   3.基礎用鋼材を敷並べる前に現場条件等や、地盤の不陸により砂利等を必要とする場合は、敷均し・締固めを別途計上する。また、砂利等を撤去する場合も別途計上する。
   4.鋼材(鋼矢板Ⅱ型)が入手困難な場合は、鋼材(鋼矢板Ⅲ型)を計上出来るものとする。鋼材(鋼矢板Ⅲ型)の数量は0.76t/10m2とし、修理費及び損耗費は別途計上する。

4)支柱支保工

【適用範囲】

 本資料は、場所打ちによるコンクリート床版橋(箱桁を含む)において、くさび結合支保が困難なうえ、開口部等を設置する必要がある場合で、1セット当り8,000空m3以下、支保耐力19.6kN/m2(2.0t/m2)以上58.8kN/m2(6.0t/m2)以下、支保高さ4.0m以上10m以下及び開口部延長3m以上13m以下の大型パイプ支柱支保の設置及び撤去に適用する。

【機種の選定】

 機種の選定は、3)くさび結合支保工【機種の選定】による。

【施工歩掛】

・支柱支保の施工数量(V)は、次式による。

 V(空m3)=(W+2.4)×H×(L+4.0) …式-2

W:地覆外縁間距離(m) H:支柱支保高さ H=h+A(m) h:開口部高さ(m) A:主桁高さ(m) L:開口部延長(m)

(注)1開口部において、左右の支保高さが異なる場合は、平均支保高さを使用する。

・支柱支保の支保耐力(P)は、くさび結合支保工による。

・支柱支保設置・撤去工歩掛

(注)1.設置及び撤去の合計であり、構成は、設置60%、撤去40%である。
   2.支柱支保仮設材賃料は、別途計上する。

・支柱受台設置・撤去工歩掛 支柱支保工において、必要に応じ支柱受台(H形鋼)を設ける場合の歩掛は、次表を標準とする。

(注)1.設置及び撤去の合計であり、構成は、設置63%、撤去37%である。
   2.鋼材(H形鋼350型)の修理費及び損耗費は、別途計上する。
   3.支柱、支柱受台を設置する前に現場条件等や地盤の不陸によりコンクリート基礎が必要な場合は、コンクリート基礎設置・撤去費を別途計上する。


(24)伸縮装置工(鋼製)


① 工法概要

 橋の温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥伸縮、加重等による桁橋の変化に対して、車両が橋を支障なく走行するための伸縮装置(鋼製)の取替を行う工法です。

② 主な改定概要

1)適用範囲

 橋梁用鋼製伸縮装置の補修に適用する。適用できる範囲は以下のとおりである。

  • 鋼フィンガージョイント及び鋼重ね合せジョイント(以下、「鋼フィンガージョイント等」という)から既製品ジョイントへの補修(取替え)に適用し、鋼フィンガージョイント等のフェースプレート幅は600mm以下とする。

適用できない範囲は以下のとおりである。

  • 地覆及び歩道部
  • 鋼フィンガージョイント等から鋼フィンガージョイント等への取替え
  • 既製品ジョイントから既製品ジョイントへの取替え
  • 床版打ち抜き作業となる場合(桁まではつり作業を行う場合等)
  • 既製品ジョイントの設置に特殊型枠を使用する場合
  • はつり作業にウォータージェットを用いる場合

2)既製品ジョイントの定義

 本体質量1m当り100kg以下の二次製品で定尺品の鋼製、合金製又はゴム製ジョイントをいう。

3)本体構造形式

 鋼材組立構造で直接輪荷重に耐える鋼製構造であり、形状寸法及び多くの種類があり、便宜的に次のように分類出来る。

【鋼フィンガージョイント(片持式)】

 フェースプレートが櫛形となってかみ合うように左右から張出している。

【鋼フィンガージョイント(支持式)】

 フェースプレートが櫛形となってかみ合うように架け渡している。

【鋼重ね合せジョイント】

 短形状となって重ね合せて架け渡している。

【既製品ジョイント】

 表面が歯型又は櫛形となってかみ合うように左右から張出している(鋼製、合金製)。

 表面がゴム製の板材で覆われている(ゴム製)。

4)施工概要

 伸縮装置工(鋼製)の施工フローは、図-14のとおりである。

5)施工歩掛

 補修の鋼製伸縮装置設置は、次表を標準とする。

 なお、本歩掛は、1箇所(単・複車線)当り2日以上で補修が完了する場合に適用し、1箇所(単・複車線)当り1日で補修が完了する急速施工の場合には適用しない。また、仮復旧等を伴う作業の場合にも適用しない。

 鋼フィンガージョイント等から既製品ジョイントへ取替える場合の歩掛は、次表とする。

(注)1.本歩掛は、カッター工、はつり工、旧ジョイント撤去工、据付工(遊間部型枠設置を含む)、打設工等全工程を含む。

2.現場条件により、トラック[クレーン装置付](通称4~4.5t積級吊能力2.9t)による施工により難い場合は別途考慮する。

3.トラック[クレーン装置付]は、賃料とする。

4.諸雑費は、コンクリートカッタ、空気圧縮機、コンクリートブレーカ、ピックハンマ、ガス切断機、電気溶接機、高周波発電機等の機械器具損料、また、チゼル、コンクリートバイブレータ、コンクリート仕上コテ、ディスクサンダ、その他設置に必要な雑器具類等の費用及び遊間間詰め用材料、コンクリート塊等集積用土のう袋、切断用ガス、溶接棒、カッターブレード損耗費、コンクリート養生剤、燃料費、油脂類費等の費用であり、労務費の合計額に上表の率を乗じた金額を上限として計上する

5.足場が必要な場合は、仮設足場費用を別途計上する。

6.コンクリート塊等の集積・積込み作業は、上記歩掛に含む。なお、コンクリート塊等の運搬・処分費は、別途計上する。

7.遊間部型枠以外の型枠が必要な場合は、型枠材料費・設置費用を別途計上する。

8.二次止水材が現場取付型(ジョイント一体型ではなく、現場にて別途床版等に設置を行う場合等)の場合は、二次止水材の材料費及び設置費用を別途計上する。

9.鋼フィンガージョイント等撤去後の養生作業(遊間部の養生)は、上記歩掛に含む。

6)材料使用量

【伸縮装置】

 必要数量を計上する。

【コンクリート混合物】

 コンクリート混合物の使用量は、次式による。

 使用量=設計量×(1+K) K:ロス率(+0.06)

【打継用接着材】

 コンクリート混合物の種類を考慮して必要な場合、別途計上する。

【補強鉄筋】

 補強鉄筋及びコンクリートアンカは、材料費のみ別途計上する。


おわりに


 公共事業を円滑に執行するためには、各工種の施工実態や資機材の需給状況など、変化する事象を的確に把握し、現場の準備や後片付けなどの作業のほか、工事の品質および安全確保、環境の保全等に十分な配慮がなされているかにも着目したうえで、標準歩掛を整備していくことが必要です。

 引き続き、必要な標準歩掛の改定・制定を行い、適正な予定価格が積算できるよう努めてまいります。

 なお、標準歩掛は実態の施工における工法や施工機械を規定するものではなく、あくまでも標準的な施工を想定した予定価格を算出するためのツールです。このことを正しく理解し、適切な運用をお願いします。

 本稿で紹介した改定の概要については、国土交通省ホームページ「土木工事標準歩掛」に掲載していますので、そちらもご参照ください。

【参考ホームページ】
土木工事標準歩掛


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