建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 【特集】資材価格動向を知る
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    東京地区の主要資材の最新の価格動向を掲載しています。その他の品目については、「月刊 建設物価」、「Web建設物価」をご確認ください。

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2025年4月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t107,000
変わらず
横ばい
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt113,000
下落
弱含み
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt136,000
変わらず
弱含み
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
弱含み
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt16,000
変わらず
強含み
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m320,800
変わらず
強含み
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,150
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm375,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,720
変わらず
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t10,000
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt106,000
下落
弱含み
219
ダクタイル鋳鉄管ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ粉体塗装 水道用 GX形1種 75mm×4m28,400
変わらず
横ばい
285
フロート板ガラスフロート板ガラスFL5 2.18m2以下(特寸)m22,380
変わらず
横ばい
496
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m41.8
変わらず
横ばい
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m7,340
変わらず
横ばい
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,950
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー127.0
上伸
横ばい
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t33,000
上伸
強含み
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料によると、2025年3月の公共工事請負額は全国で前年同月比6.0%増加(建設業保証会社)、2025年2月の新設住宅着工戸数は、持家が減少したが、貸家、分譲住宅が増加したため、前年同月比2.4%増加、民間非居住建築物着工床面積では事務所、工場が減少したが、店舗、倉庫は増加したため、5.4%増加(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が2月の国内出荷量で前年同月比10.0%減少、H形鋼が15.1%減少(日本鉄鋼連盟)、生コンが3月の東京17区出荷量で23.0%減少(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が2月の東京地区出荷量で6.2%減少(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、軽油が上伸、H形鋼が下落、異形棒鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、600Vビニル絶縁電線、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の8資材が横ばいとなった。

 【軽油】 ローリー渡しでリットル当たり127円と前月比2円上伸。補助金により元売りの実質仕切価格の変動は抑えられ、小幅な値動きに留まった。貿易摩擦の影響でアメリカや中国の景気減速懸念が台頭し原油相場は不安定な動き。主要産油国の増産で原油相場は下落が予想されるが、国内市況は引き続き補助金で安定し、目先、横ばいの見通し。

 【H形鋼】 200×100でトン当たり113,000円と前月比1,000円下落。中小物件向け実需の低迷が続き、需給にタイト感はなく、市中在庫は増加傾向。流通の数量確保を目的とした安値での折り合いから、ジリ安商状が続いている。鉄スクラップ価格は小幅上昇も、先安観を払拭する材料が不足しており、目先、弱基調の公算が大きい。

 【異形棒鋼】 横ばい。主要メーカー値上げも、需要低迷下で材料調達を急がない需要家は、当用買いに徹している。目先も横ばいの見通し。

 【セメント】 横ばい。販売量は減少が続く中、メーカーは4月からの2000円以上の値上げを進めており、一部で受け入れも見られることから、先行き強含みの見通し。

 【生コン】 横ばい。出荷量は前年比大幅減と低調な状況が続く中、協組は4月から3,000円の値上げを打ち出し。新規物件の交渉本格化に伴い、先行き強含みの公算が大きい。

 【再生砕石】 横ばい。廃材受入制限で在庫過剰感は改善傾向にあるが依然高水準。需要低迷が続くなか、メーカーはコスト増を受け製品への価格転嫁を図るも、値上げは浸透していない。先行き横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。輸入量は産地の原木不足で減少しているが、荷動きが鈍く市中在庫に余裕があり、需給は緩慢。仕入れコスト高から流通は値上げを図るも需要家の反応は厳しく、交渉は難航しており、先行き横ばいの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。維持修繕など小規模工事中心で需要は低調。需要家は原材料安を理由に値下げを求めるが、メーカーは人件費や輸送費などコスト増を背景に値上げ姿勢を維持し、交渉は平行線のまま。先行き横ばいの見通し。

 【電線】 横ばい。労働者不足により工事が遅延し、商状は低調。需要家は発注を控え、メーカーは安値販売を避けている。銅の建値は一時的に上昇したが、その後大幅に下落。今後は米関税政策などの国際情勢を受けて波乱含みの様相。目先、横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。中小規模物件の低迷と軽量な樹脂管等の代替品の採用が進み、荷動きは低調。需要家は採算悪化を懸念し、流通は価格維持を試みるが、需給改善には時間がかかる見通し。先行き、横ばいの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    こう着状態が続き、横ばい

     SD295・D16でトン当たり107,000円と前月比変わらず。閑散とした商いが続くなかでメーカー各社は需要に見合った生産体制で対応しながら、電力料金および物流費の上昇などを背景とした製造コストの増加に伴う採算悪化を避けるべく、さらなる販売価格の引き上げを表明している。一方、急ぎの案件が少ない需要家は、当用買いを中心に慎重な姿勢を維持している。需要が高まる時期はまだ先になると予想されており、価格交渉の本格化まで時間を要しそう。目先、横ばいの公算が大きい。

  • H形鋼

    名嘉
    先行き気配

    さえない商状続き、続落

     200×100でトン当たり113,000円と前月比1,000円の下落。新年度に入ってからも市中取引の大半を占める中小物件向け実需の低迷が続いており、需給にタイト感は見られない。流通各社は在庫調整を進めようとするも、依然として入荷が出荷を上回る状況が継続しており、市中在庫は増加傾向にある。流通の数量確保を目的とした安値折り合いから、ジリ安商状が続いている。原料の鉄スクラップ価格は小幅上昇したが、先安観を払拭する材料に乏しく、目先、弱基調の公算が大きい。

  • セメント

    佐藤
    先行き気配

    値上げ交渉は最終局面、強含み

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり16,000円と前月比変わらず。2月の国内販売量は、244万9千トン(協会調べ)で前年同月比9.3%減と、前年同月を下回る状況が続いており、底打ちの兆しは見られない。メーカー各社は、4月から2,000円以上の値上げを早期に実現すべく、昨年上期からこれまで長期に渡って価格交渉を実施。需要家は採算悪化を懸念し慎重な姿勢であったが、メーカーの粘り強い売り腰に対し、一部の需要家は値上げを受け入れている。先行き、強含みの公算が大きい。

  • レディーミクストコンクリート

    佐藤
    先行き気配

    新規物件での交渉が本格化、先行き強含み

     18-18-20でm3当たり20,800円と前月比変わらず。3月の東京17区出荷量は、19万1千m3(協組調べ)で前年同月比23%の減少。軽量骨材の需給ひっ迫や作業員不足による工事の遅れによって低調な出荷が続き、2024年度の出荷量は253万m3で前年比7.8%減となった。価格面では、協組が4月から価格体系の変更を含めた3,000円の値上げを表明。需要家はこれまで難色を示してきたが、協組の強固な姿勢に一部需要家が理解を示し始めた。新規物件の交渉が大詰めを迎え、先行き、強含みの公算大。

  • 再生砕石

    藤巻
    先行き気配

    さえない商状続くも、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,150円と前月比変わらず。メーカー各社による廃材の受入制限強化により、高止まりしていた在庫量に改善の兆しが見られ始めた。一方、需要は年度末も盛り上がりを欠く状況が続き、一部のメーカーによる安値販売も散見される。メーカーは人件費や電力料金の上昇による製造コストの増加、運転手不足による輸送コストの増加分を販売価格に転嫁したいとしているが、値上げ交渉の進展にはしばらく時間を要する見込み。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    入荷量減少も、横ばい

     12×900×1,800㎜輸入品で枚当たり1,720円と前月比変わらず。2月の輸入合板入荷量は、16万m3(財務省調べ)で前年同月比9.5%の減少。産地の洪水や雨季による原木不足の影響で入荷量は減少したが、荷動きは精彩を欠いており、市中にひっ迫感はない。仕入れコスト高を背景に、流通筋は値上げ浸透に向け売り腰を強めているが、需要家の購入姿勢は厳しく、交渉は難航。今後も入荷量は減少する見込みだが、需給が引き締まるには時間を要するとの見方が強い。先行き、横ばいの公算大。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    ストアス価格下落も、横ばい

     密粒度13でトン当たり10,000円と前月比変わらず。4~2月の都内出荷量は、155万トン(協会調べ)で前年同期比2.4%の減少。維持修繕など小規模工事中心で、需要は盛り上がりを欠く展開となっている。主原材料のストアス価格が下落したことを理由に、需要家は値下げ要求を強めている。一方、メーカー各社は、ストアスを除いた製造コストや輸送コストの増加を理由に値上げを継続する構え。双方の主張は平行線をたどっており、交渉に進展は見られない。先行き、横ばいの公算大。

  • ダクタイル鋳鉄管

    戸田
    先行き気配

    現行価格を維持、横ばい

     内面エポキシ粉体塗装水道用GX形1種75mm×4mで本当たり28,400円と前月比変わらず。4~1月の検査実績は、8万9千トン(協会調べ)で、前年同期比4.6%の減少。工事の小規模化や競合品への移行など、需要は低調に推移している。このような状況下、メーカー各社による荷降ろし有償化の交渉は難航。流通各社も様子見の姿勢を崩しておらず、有償化の浸透は依然として限定的である。新年度入り後も、状況が好転する材料に乏しく、先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 電線

    木村
    先行き気配

    横ばいも、波乱含みの様相

     IV1.6mm単線でm当たり41.8円と前月比変わらず。労働者不足を背景に工事の遅延が目立ち、精彩を欠く商状が続いている。需要家は発注を手控え当用買いに徹しているが、メーカーと流通各社は採算確保のため安値販売は行っていない。主原料である銅の建値は、3月平均で149万円台と前月比4万円上伸の高値推移を続けていたが、4月上旬に反落し大幅下落となった。今後、銅相場は米関税政策などの国際情勢を受けて大きく変動するとの見方が強く、波乱含みの様相。目先、横ばいの公算。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    需要の低迷続くも、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり7,340円と前月比変わらず。大型再開発物件が堅調に推移するも、需要の中心である中小規模物件の低迷が続いている。さらに、施工性の良さから軽量な樹脂管等の代替品を採用する傾向が強まっており、荷動きは低調に推移している。採算悪化を懸念する需要家の購入姿勢が厳しさを増す一方、流通各社は現行価格の維持に努めている。需給環境の改善にはしばらく時間を要するとの見方が強く、先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 燃料油

    村平
    先行き気配

    実質仕切価格の上昇により、ローリー渡し上伸

     軽油はローリー渡しでリットル当たり127円と前月比2円上伸、レギュラーガソリンはスタンド渡しで167円と変わらず。国内は燃料油激変緩和対策により元売りの実質仕切価格の変動が抑えられているため、小幅な値動きに留まっている。原油相場が貿易摩擦の激化への懸念や中東地政学リスクの高まりにより上下変動が続くなか、主要産油国は5月の追加増産を発表。需給緩和の見方から原油相場は下落が予想される一方、国内市況は補助金により安定する見込み。目先、横ばいの見通し。

  • 鉄スクラップ

    石井
    先行き気配

    国際需要の高まりから、1,000円上伸

     ヘビーH2でトン当たり33,000円と前月比1,000円の上伸。3月の国内相場は需給が均衡したまま様子見で始まったが、米国の関税政策による同国内でのスクラップ需要の高まりから、指標となるコンポジット価格は続伸した。この影響もあり、関東共同輸出価格は前月比1,000円強上伸して成約。その後、関東大手電炉メーカーが調達価格を改定したことで、1,000円の値上げが市場に浸透した。軟調な国内需要と相反し、輸出価格が国内相場をけん引する状況にある。目先、強基調の公算が大きい。

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