建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 【特集】資材価格動向を知る
  • 建設物価

    東京地区の主要資材の最新の価格動向を掲載しています。その他の品目については、「月刊 建設物価」、「Web建設物価」をご確認ください。

    建設物価
    Web建設物価

2025年11月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

(クリックで拡大)

品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t103,000
変わらず
横ばい
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt105,000
下落
横ばい
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt131,000
変わらず
弱含み
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,600
変わらず
横ばい
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt18,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m323,800
変わらず
横ばい
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,150
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm375,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,700
変わらず
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t10,500
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt100,000
下落
強含み
219
ダクタイル鋳鉄管ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ粉体塗装 水道用 GX形1種 75mm×4m28,400
変わらず
強含み
285
フロート板ガラスフロート板ガラスFL5 2.18m2以下(特寸)m22,380
変わらず
横ばい
496
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m46.7
上伸
強含み
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m7,340
変わらず
横ばい
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,950
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー116.0
下落
弱含み
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t34,500
上伸
強含み
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料によると、2025年10月の全国の公共工事請負額は、前年同月比で18.1%増加(建設業保証会社)、2025年9月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅が減少したため、前年同月比7.3%減少、民間非居住建築物着工床面積では、事務所、店舗は増加したが、工場及び倉庫が減少となり、2.1%減少(国土交通省)。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が9月の国内出荷量で前年同月比4.3%減少、H形鋼が5.7%減少(日本鉄鋼連盟)、生コンが10月の東京17区出荷量で14.2%減少(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が9月の東京地区出荷量で0.3%減少(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線の1資材が上伸、H形鋼、軽油の2資材が下落、異形棒鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の7資材が横ばいとなった。

 【電線】IV1.6mm単線でm当たり46.7円と前月比2.8円の上伸。主原料である銅の建値は、供給懸念と海外需要増加の期待から10月平均で166万円と14万円の大幅上伸。メーカー各社は銅価格の高騰を受け、仕切価格を引き上げ市況が上伸した。流通各社は価格転嫁が不十分だとして、強気の販売姿勢を維持する構え。目先、強基調の公算大。

 【H形鋼】 200×100はトン当たり105,000円と前月比1,000円下落。中小物件向け実需が低迷している中で、流通間の競争激化により市況は下落。一方、さらなる採算悪化を懸念した一部の電炉メーカーが販売価格を引き上げ、先安観は解消されつつある。目先、横ばいの見通し。

 【軽油】軽油はローリー渡しでリットル当たり116円と前月比4円下落。供給量が需要を大きく上回るとの見通しから供給過剰が意識され、原油相場は下落。国内では、元売り各社の仕切価格の引き下げにより全油種で下落。政府による補助金の拡充が見込まれるため、目先、弱基調の公算が大きい。

 【異形棒鋼】 横ばい。メーカー各社は需要減少に伴う製造コスト増加を製品価格に転嫁するため、強気の販売姿勢を継続している。一方で、材料調達を急がない需要家は、需給動向を注視しつつ当用買いに徹するなど、慎重な購入姿勢を続けている。目先、横ばいの見通し。

 【セメント】横ばい。メーカー各社は、設備投資費用の増加を背景に、現行価格の維持に注力する構え。先行き横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。建設現場の時間外労働規制強化などの影響により、大型物件向けの出荷に遅れが生じ、足元の需要は低調。協組は現行価格の維持に努めているおり、先行き横ばいの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。都心主力である路盤工事向けの出荷が振るわず、需要は低迷。メーカーは製造・輸送コスト増で値上げの意向も、需要家は十分な製品在庫があることを把握しており、購入姿勢に焦りは見られない。先行き横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。新規需要の乏しさから荷動きが振るわず、商状は盛り上がりを欠く展開。流通筋は仕入れコストの増加を背景に価格の底上げを進めたい意向。一方、手当てが一巡した需要家の購入姿勢は慎重で、交渉は本格化していない。目先、横ばいの公算大。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。維持修繕など小規模工事中心で、需要は低調。主原材料のストアス価格が下落したものの、メーカー各社は、各種コストの上昇による採算悪化に危機感を強めており、製品価格に転嫁すべく交渉を続けている。需要家は度重なる値上げの受け入れには慎重な構え。先行き横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。需要が低調に推移する中で、メーカー各社は、需要見合いの生産に取り組み、市中在庫量の適正化を進めている。先行き横ばいの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    様子見商状続き、横ばい

     SD295・D16でトン当たり103,000円と前月比変わらず。メーカー各社は需要減少に伴う製造コスト増加を製品価格に転嫁するため、強気の販売姿勢を継続している。一方、依然として需要は盛り上がりに欠ける展開が続き、市況の底上げには至っていない。材料調達を急がない需要家は、需給動向を注視しつつ当用買いに徹するなど、慎重な購入姿勢を続けている。需要が活発化する時期はまだ先になるものと予想され、供給側と需要家のこう着状態が続くものとみられる。目先、横ばいの公算大。

  • H形鋼

    森中
    先行き気配

    荷動きは依然鈍く、小幅下落

     200×100はトン当たり105,000円と前月比1,000円下落。市中取引の大半を占める中小物件向け実需が低迷しているため、需給にタイト感は見られない。こうした状況下、流通間の競争激化により市況は下落した。一方、さらなる採算悪化を懸念した一部の電炉メーカーが販売価格を引き上げたことで、先安観は解消された。流通間では底値感が広がり、極端な安値は切り上がった。需要が復調する兆しは見えないものの、下落ムードには一服感がある。目先、横ばいの見通し。

  • 中厚板

    伊藤
    先行き気配

    需要の低迷が続き、弱含み推移

     16~25×1,524×3,048mmでトン当たり131,000円と前月比変わらず。造船や建産機向け需要は堅調な一方で、建築向け需要は依然として低調であり、荷動きも活発さを欠いている。流通各社はメーカーへの発注量を減らして在庫調整に努めているが、現在の需要量では過剰感が残り、適切な在庫水準には至っていない。需給のバランスに大きな変化はなく、流通各社は現行価格の維持が精いっぱいの状況。新たな需要喚起材料にも乏しく、目先、弱含みの公算が大きい。

  • セメント

    川崎
    先行き気配

    出荷減少続くも、横ばい

     普通ポルトランドセメント(バラ)でトン当たり18,000円と前月比変わらず。9月の国内販売量は、267万トン(協会調べ)で前年同月比5.0%の減少。東京地区をはじめとする大都市圏の出荷減少が影響し、需要は盛り上がりに欠く状況が続いている。今後は、再開発物件やリニア中央新幹線などの大型需要を控えるものの、早期の需要回復は難しいとの見方が強い。メーカー各社は、設備投資費用の増加を背景に、現行価格の維持に注力する構え。先行き、横ばい推移の公算が大きい。

  • レディーミクストコンクリート

    川崎
    先行き気配

    出荷量減少も、横ばい

     18-18-20でm3当たり23,800円と前月比変わらず。10月の東京17区出荷量は、19万5千m3(協組調べ)で前年同月比14.2%の減少。建設現場の時間外労働規制強化などの影響により、大型物件向けの出荷に遅れが生じ、足元の需要は盛り上がりを欠いている。中小物件も低調で、出荷減に歯止めがかからない。協組は原材料の骨材価格の上昇を理由に、現行価格の維持に努めている。需要家も安定的な供給体制の維持を掲げる協組の姿勢に理解を示している。先行き、横ばい推移の公算が大きい。

  • 再生砕石

    藤巻
    先行き気配

    需要の低迷続くも、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,150円と前月比変わらず。主力である路盤工事向けの出荷が振るわず、需要は盛り上がりを欠いているが、都心部の解体工事需要が落ち着いているため、廃材在庫量は均衡を保っている。メーカーは、資機材価格の上昇などによる製造コストや運転手不足などによる輸送コストの増加などを理由に値上げ交渉を継続。需要家は十分な製品在庫があることを把握しており、購入姿勢に焦りは見られない。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    荷動き振るわず、横ばい

     12×900×1,800mm輸入品で枚当たり1,700円と前月比変わらず。9月の合板輸入量は、17万7千m3(財務省調べ)で前年同月比0.3%の減少。新規需要の乏しさから荷動きが振るわず、商状は盛り上がりを欠く展開。流通筋は仕入れコストの増加を背景に価格の底上げを進めたい意向。一方、手当てが一巡した需要家の購入姿勢は慎重で、交渉は本格化していない。流通筋は足元の円安進行による先高観から値上げ交渉を継続する構えだが、需要好転が期待できない状況。先行き、横ばいの公算大。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    ストアス価格下落も、横ばい

     密粒度13でトン当たり10,500円と前月比変わらず。4~9月の都内出荷量は、78万4千トン(協会調べ)で前年同期比0.3%の減少。維持修繕など小規模工事中心で、需要は力強さを欠いている。主原材料のストアス価格が下落したことを理由に、需要家は値下げ要求を強めている。一方、メーカー各社は、ストアスを除いた製造コストや輸送コストの増加を理由に値上げ交渉を継続する構え。双方の主張は平行線をたどっており、交渉に進展は見られない。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 電線

    飯塚
    先行き気配

    銅建値の高騰を受け、続伸

     IV1.6mm単線でm当たり46.7円と前月比2.8円の上伸。主原料である銅の建値は、10月平均で166万円台と先月平均から14万円の急伸。供給懸念と海外需要増加の期待から10月中旬には過去最高値に迫る173万円を記録。メーカー各社は銅価格の高騰を受け、仕切価格の引き上げを実施。流通筋も採算確保に向けた価格交渉を続け、値上げ額の一部が浸透した。実需は精彩を欠くが、流通各社は仕入れコスト増加分の価格転嫁が不十分だとして、強気の販売姿勢を維持する構え。目先、強基調の見通し。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    需要低迷続くも、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり7,340円と前月比変わらず。中小規模物件の不振、労働者不足や工事費高騰による建設計画見直しの影響を受け、荷動きは低調に推移している。高炉メーカーは、需要見合いの生産に取り組み、市中在庫量の適正化を進めている。需要家が慎重な購入姿勢を崩さないなか、流通各社は採算確保を優先し、安値販売を避け現行価格の維持に努めている。需給環境の改善には時間を要するとの見方が強く、しばらくこう着状態が続きそう。先行き、横ばいの公算大。

  • 燃料油

    髙木
    先行き気配

    原油相場の軟化を背景に下落

     軽油はローリー渡しでリットル当たり116円と前月比4円下落、レギュラーガソリンはスタンド渡しで158円と前月比2円下落した。米国が対ロシア向け経済制裁措置を発表し、ロシア産原油の供給懸念が強まる一方で、供給量が需要を大きく上回るとの見通しから供給過剰が意識され、原油相場は不安定な状況が続いている。国内では、元売り各社の仕切価格の引き下げにより全油種で下落。旧暫定税率廃止に向けた政府による補助金の拡充が見込まれるため、目先、弱基調の公算が大きい。

  • 鉄スクラップ

    伊藤
    先行き気配

    堅調な海外相場を背景に、3,000円上伸

     ヘビーH2でトン当たり34,500円と前月比3,000円の上伸。為替は円安基調が続いており、輸出取引に優位な環境が形成されている。また、海外相場も堅調に推移していることから、輸出価格の上伸が国内市況を押し上げた。一方、市中の鉄スクラップ発生量は依然として低調であり、需給バランスは引き締まった状態が続いている。一部の国内電炉メーカーは炉休を控えて調達に慎重な姿勢を崩していないが、海外需要の強さが相場を下支えしている。目先、強基調の公算が大きい。

問い合わせ先

一般財団法人 建設物価調査会
  調査統括部 調査統括課
TEL:03-3663-3892