建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 建設物価

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2024年4月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t114,000
変わらず
横ばい
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt120,000
変わらず
強含み
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt142,000
変わらず
横ばい
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
強含み
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt16,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m319,800
変わらず
強含み
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,200
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm380,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,770
下落
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t9,700
変わらず
強含み
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt110,000
上伸
強含み
219
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m36.0
上伸
強含み
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m6,670
変わらず
横ばい
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,190
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー116.0
変わらず
横ばい
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t43,500
下落
横ばい
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料をみると、2024年3月の公共工事請負額は全国で前年同月比6.2%増(建設業保証会社)、2024年2月の新設住宅着工戸数は、貸家は増加したが、持家及び分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比8.2%減少、民間非居住建築物着工床面積では事務所、店舗、工場及び倉庫が減少したため13.2%減(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が2月の国内出荷量で前年同月比1.7%減、H形鋼が4.6%減(日本鉄鋼連盟)、生コンが3月の東京17区出荷量で4.3%増(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が2月の東京地区出荷量で13.9%減(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線が上伸、コンクリート型枠用合板が下落、異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コン、再生砕石、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)、軽油の8資材が横ばいとなった。

 【電線】 低圧ケーブルは、新規受注が再開し、段階的に供給不足が改善に向かう見込み。高圧ケーブルは、納期が長期化しており、需要がひっ迫している。メーカー各社は主原料の高騰を背景に、値上げを表明。流通各社も採算確保に向け交渉を継続し、値上げ額の一部が浸透した。銅建値の急騰を受け、目先も強基調の見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 荷動きが精彩を欠くなか、流通筋は決算期に向けた売り上げ確保を優先し、販売価格を引き下げた。需要家の購入姿勢は厳しいが、流通筋はこれ以上の値下げは避けたいとしており、目先、横ばいの見通し。

 【異形棒鋼】 横ばい。メーカー各社は製造コスト増加に伴う値上げ浸透に向けて強気の販売姿勢を継続しているが、限られた取引を巡る流通筋の販売競争は解消されず、市況底上げには至っていない。目先も横ばいの見通し。

 【H形鋼】 横ばい。流通各社は4月出荷分からメーカー値上げに加え、自社の人件費や物流費、エネルギーコストなどの上昇分も含めて値上げを発表。流通は採算割れを回避すべく仕入れ価格上昇分の転嫁に向けて、さらに強い売り腰で値上げ交渉に臨む構え。目先、強含みの見通し。

 【セメント】 横ばい。需要の低迷からメーカー各社は、現行価格の維持に注力することに加え、カーボンニュートラルを見据えた設備投資などを推し進めたいとしている。生コンメーカーも、セメントメーカーの姿勢には一定の理解を示しており、先行きも横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。協組は4月から1,000円の値上げに加え、出荷ベースへの契約方式変更を表明。需要家は方式変更には慎重な姿勢を崩していないが、値上げには理解を示しており、新規物件の交渉も本格化している。先行き、強含みの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。メーカー各社は、製品需要が低迷する状況下、輸送コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にあるが、需要家は値上げの受け入れには厳しい姿勢を示している。先行きも横ばいの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。原材料のストアス価格の上昇や2024年問題を契機とする輸送コストの増加分を販売価格に転嫁するため、メーカー各社の売り腰は強まっている。先行き、強含みの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。3月以降、高炉メーカー各社は生産コストの増加に伴う値上げを表明。流通各社はこれまでの値上げ未転嫁分を含めた価格浸透を進めたい意向だが、需要家の購入姿勢は厳しく、交渉は平行線をたどっている。目先も横ばいの見通し。

 【軽油】 横ばい。原油相場の上昇を受け元売り各社は仕切価格を引き上げたが、流通筋の販売数量を確保する動きから価格転嫁は進まず、販売価格の変動は抑えられた。原油相場は不透明な状況が続くとみられるが、国内市況は5月以降も補助金が継続されるため、目先も横ばいの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    上値の重い展開が続く

     SD295・D16でトン当たり114,000円と前月比変わらず。需要回復の兆しは見えず、市中はさえない商状が続いている。メーカー各社は製造コスト増加に伴う値上げ浸透に向けて強気の販売姿勢を継続しているが、限られた取引を巡る流通筋の販売競争は解消されず、市況底上げには至っていない。需要家も値上げに難色を示しており、上値が重い展開が続いている。散見された安値取引は払拭されているものの、値上げの浸透には時間を要するとみられる。目先、横ばいの見通し。

  • H形鋼

    名嘉
    先行き気配

    流通値上げ表明により、目先強含み

     200×100でトン当たり120,000円と前月比変わらず。メーカー各社は採算に見合う製品価格を目指し、値上げを進めている。これを受けて、流通各社は4月出荷分からメーカー値上げに加え、自社の人件費や物流費、エネルギーコストなどの上昇分も含めて値上げを発表した。需要の後押しが弱い環境下であるため、需要家は慎重な購入姿勢を崩していないが、流通は採算割れを回避すべく仕入れ価格上昇分の転嫁に向けて、さらに強い売り腰で値上げ交渉に臨む構え。目先、強含みの見通し。

  • セメント

    佐藤
    先行き気配

    出荷減少続くも、横ばい

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり16,000円と前月比変わらず。2月の国内販売量は、269万9千トン(協会調べ)で前年同月比7.4%の減少。2024年度の国内需要は、前年度見通しから8%減の3,500万トンを見込んでいる。需要の低迷からメーカー各社は、現行価格の維持に注力することに加え、カーボンニュートラルを見据えた設備投資などを推し進めたいとしている。主たる需要家である生コンメーカーも、セメントメーカーの姿勢には一定の理解を示している。先行き、横ばいの公算大。

  • レディーミクストコンクリート

    佐藤
    先行き気配

    新規物件での交渉が本格化、先行き強含み

     18-18-20でm3当たり19,800円と前月比変わらず。3月の東京17区出荷量は、24万8千m3(協組調べ)で前年同月比4.3%の増加。低調な上期に対して、下期は都心部の再開発事業向けなど好調な出荷が続き、2023年度の出荷量は274万m3で前年度並みとなった。協組は、4月から1,000円の値上げに加え、出荷ベースへの契約方式変更を表明。需要家は方式変更には慎重な姿勢を崩していないが、値上げには理解を示しており、新規物件の交渉も本格化している。先行き、強含みの公算が大きい。

  • 再生砕石

    岡本
    先行き気配

    需要の低迷続くも、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,200円と前月比変わらず。廃材の在庫量は、堅調な解体工事需要を背景に高水準で推移している。メーカー各社は、製品需要が低迷する状況下、輸送コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にあるが、需要家は採算確保を重視し値上げの受け入れには厳しい姿勢を示している。今後も需要の回復は見通せず、余剰在庫の解消にはしばらく時間を要するとの見方が強い。需給双方の主張は平行線をたどっており、先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    売り上げ確保の動き広がり、下落

     12×900×1,800㎜輸入品で枚当たり1,770円と前月比30円の下落。2月の輸入合板入荷量は17万7千m3で前年同月比21.7%の増加(財務省調べ)。荷動きは精彩を欠き、市中在庫が増加。足元の需要が乏しく、需給が緩和した状況下、手当てが一段落した需要家に買い急ぐ動きは見られない。一方、流通筋は決算期に向けた売り上げ確保を優先し、販売価格を引き下げた。需給動向に好転の兆しはなく、需要家の購入姿勢は厳しいが、流通筋はこれ以上の値下げは避けたい。目先、横ばいの見通し。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    ストアス値上がり続き、強含み

     密粒度13でトン当たり9,700円と前月比変わらず。4~2月の都内出荷量は、159万3千トン(協会調べ)で前年同期比2.7%の減少。主原材料のストアス価格の上昇や2024年問題を契機とする輸送コストの増加分を販売価格に転嫁するため、メーカー各社の売り腰が強まっている。多くの需要家は値上げの受け入れには慎重な姿勢だが、安定調達を優先し値上げに理解を示す向きも見られはじめた。今後、値上げ交渉が進展するとの見方が大勢。先行き、強含みの公算が大きい。

  • スレートアスファルト

    筒井
    先行き気配

    仕切価格引き上げが影響、2,000円上伸

     針入度60~80でトン当たり110,000円と前月比2,000円の上伸。石油元売り各社は原油相場の上昇を背景に仕切価格を引き上げ、販売店各社もこの動きに連動した値上げを実施。需要家の混合物メーカーは、抵抗を示しつつも安定調達を優先し、値上げ額の一部を受け入れた。足元の原油相場が高値で推移していることや、2024年問題を契機とした輸送コストの増加を理由に、販売店は価格をさらに引き上げる構え。需要家は度重なる値上げに難色を示しているが、先行き、強基調の公算が大きい。

  • 電線

    木村
    先行き気配

    銅建値高騰を受け、続伸

     IV1.6mm単線でm当たり36.0円と前月比0.8円の上伸。主原料である銅の建値は3月平均で134万円台と前月平均から5万円上伸し、4月上旬には145万円と過去最高値を更新。メーカー各社は主原料の高騰を背景に、値上げを表明。流通各社も採算確保に向け交渉を継続し、値上げ額の一部が浸透した。低圧ケーブルは、新規受注が再開。段階的に供給不足が改善に向かう見込み。高圧ケーブルは、納期が長期化しており、需要がひっ迫している。銅相場の急騰を受け、目先、強基調の公算大。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    荷動き精彩欠くも、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり6,670円と前月比変わらず。都心部では、大型再開発物件向けの需要は堅調に推移するも、市中の荷動きに直結する中小規模物件は依然として精彩を欠いている。3月以降、高炉メーカー各社は生産コストの増加に伴う値上げを表明。一方、流通各社はこれまでの値上げ未転嫁分を含めた価格浸透を進めたい意向だが、採算悪化を懸念する需要家の購入姿勢は厳しく、交渉は平行線をたどっている。交渉の進展には時間を要するとの見方が強く、目先、横ばいの公算大。

  • 燃料油

    原田
    先行き気配

    原油相場は上昇も、国内市況は横ばい

     軽油はローリー渡しでリットル当たり116円、レギュラーガソリンはスタンド渡しで155円とともに前月比変わらず。中東情勢やロシア・ウクライナ双方によるエネルギー施設への攻撃など地政学的リスクの高まりにより、原油相場は上昇。これを受け元売り各社は仕切価格を引き上げたが、流通筋の販売数量を確保する動きから価格転嫁が進まず、販売価格の変動は抑えられた。原油相場は不透明な状況が続くとみられるが、国内市況は5月以降も補助金が継続されるため、目先、横ばいの見通し。

  • 鉄スクラップ

    石井
    先行き気配

    輸出相場の軟化を受け、下落

     ヘビーH2でトン当たり43,500円と前月比1,500円の下落。3月上旬の東アジア向け商談では、円高進行や海外相場の下落を受けて安値成約が見られた。電炉メーカーは当時の国内相場を下回った輸出結果を受け、累計で1,500円の値下げを実施し、市況は下落に転じた。その後、日米金利差の乖離に対する懸念から為替が円安に転じたが、鉄スクラップ需要量は依然として低調であり、市中発生量も同様に低水準が続く。均衡した状況下、需要家は慎重な購入姿勢を維持し、目先、横ばいの見込み。

問い合わせ先

一般財団法人 建設物価調査会
  調査統括部 調査統括課
TEL:03-3663-3892