建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 建設物価

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2024年3月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t114,000
変わらず
横ばい
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt120,000
変わらず
横ばい
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt142,000
変わらず
横ばい
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
強含み
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt16,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m319,800
変わらず
強含み
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,200
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm380,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,800
変わらず
弱含み
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t9,700
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt108,000
上伸
強含み
219
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m35.2
上伸
横ばい
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m6,670
変わらず
横ばい
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,190
変わらず
横ばい
688
軽油軽油ローリー116.0
変わらず
横ばい
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t45,000
上伸
強含み
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料をみると、2024年2月の公共工事請負額は全国で前年同月比0.7%減(建設業保証会社)、2024年1月の新設住宅着工戸数は、貸家は増加したが、持家及び分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比7.5%減少、民間非居住建築物着工床面積では事務所及び工場は増加したが、店舗及び倉庫が減少したため15.3%減(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が1月の国内出荷量で前年同月比0.6%減、H形鋼が6.2%減(日本鉄鋼連盟)、生コンが2月の東京17区出荷量で14.3%増(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が1月の東京地区出荷量で4.1%増(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、600Vビニル絶縁電線が上伸、異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)、軽油の9資材が横ばい、下落した資材はなかった。

 【電線】 銅の価格上昇を受けメーカー各社は、仕切価格を引き上げ、流通各社も採算確保に向けて売り腰を強めたことから、値上げ額の一部が浸透した。高圧・低圧の両ケーブルともに需要家の先行手配が続き、納期遅延の解消には時間を要する見込み。供給不足に起因した高値販売は見られず、目先、横ばいの見通し。

 【異形棒鋼】 横ばい。メーカー各社は市況の底上げに向けて売り腰を強めているが、数量を確保したい流通筋の販売競争は変わらず、価格が上昇するまでには至っていない。一部で見受けられた安値は払拭されつつあるが、上値は重く、目先も横ばいの見通し。

 【H形鋼】 横ばい。メーカー各社の値上げによって採算が悪化している流通各社は、メーカー値上げと自社コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にあるが、需給にタイト感が乏しい環境下、安値切り上げにとどまっている。目先も横ばいの見通し。

 【セメント】 横ばい。昨年の値上げ要因となった石炭相場が緩やかに下落しているが、需要家からの値下げ交渉などの具体的な動きには至っていない。先行きも横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。協組は4月から1,000円の値上げに加え、契約方式を出荷ベースへ変更すると表明。需要家は、新たな契約方式には慎重な姿勢であるが、値上げに対しては協組の動きに一定の理解を示している。4月以降の新規物件で交渉が本格化するとみられ、先行き、強含みの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。メーカー各社は製造・輸送コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にあるが、安値販売も散見され、交渉の進展にはなお時間を要する見込み。先行きも横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。需要家は小口当用買いに徹しており、市中に買い急ぐ動きは見られない。流通筋は需要好転の兆しが見えない中で決算期を迎え、売り上げ確保を優先する動きも散見される。目先、弱含みの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。メーカー各社は、足元のストアス価格の上昇や輸送コストの高止まり分を販売価格に転嫁するため値上げ交渉を継続。需要が盛り上がりを欠くなか交渉はこう着しており、先行きも横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。高炉メーカーは原料調達コストやエネルギー価格の上昇を理由に新年度に向けて値上げを表明。しかし、需要家の抵抗は強く値上げには時間を要するとの見方が強い。目先も横ばいの見通し。

 【軽油】 横ばい。原油相場は上昇したが、補助金により流通各社の仕入れ価格は抑制されており、小幅な動きに留まっている。目先も横ばいの見通し

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    メーカー強気姿勢も上値重く、横ばい

     SD295・D16でトン当たり114,000円と前月比変わらず。メーカー各社は製造コスト増による採算悪化を避けるべく、市況の底上げに向けて売り腰を強めている。一方、商いは盛り上がりを欠く展開が続いており、数量を確保したい流通筋の販売競争は変わらず、価格が上昇するまでには至っていない。需要家は製品価格が割高であるとし、当用買いに徹しながら厳しい姿勢を示している。一部で見受けられた安値は払拭されつつあるが、上値は重く、目先、横ばいの公算が大きい。

  • H形鋼

    名嘉
    先行き気配

    需給にタイト感乏しく、横ばい

     200×100でトン当たり120,000円と前月比変わらず。市中の荷動きに直結する中小建築需要の低迷から、盛り上がりに欠ける商況が続いている。メーカー各社の値上げによって採算が悪化している流通各社は、メーカー値上げと自社コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にある。しかし、需給にタイト感が乏しい環境下、安値切り上げにとどまっている。需要家は値上げ動向を見極めようと慎重な購入姿勢を維持。先高観はあるが、目先、様子見の展開が続き、横ばいの公算が大きい。

  • セメント

    佐藤
    先行き気配

    需給引き締まらず、横ばい

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり16,000円と前月比変わらず。1月の国内販売量は、238万9千トン(協会調べ)で前年同月比5.4%の減少。前年同月を下回る状況が長期間続き、需要低迷に歯止めがかからない。価格面では、昨年の値上げ要因となった石炭相場が緩やかに下落しているが、需要家からの値下げ交渉などの具体的な動きには至っていない。メーカー各社は、脱炭素化を見据えた設備投資等を推し進めており、現行価格の維持に注力する構え。先行き、横ばいの公算大。

  • レディーミクストコンクリート

    佐藤
    先行き気配

    4月以降に交渉が本格化、先行き強含み

     18-18-20でm3当たり19,800円と前月比変わらず。2月の東京17区出荷量は、23万1千m3(協組調べ)で前年同月比14.3%増だったが、年度出荷量は前年並みとなる見通し。協組は、骨材価格や輸送コストの増加などを理由に、4月から1,000円の値上げに加え、契約方式を出荷ベースへ変更すると表明。需要家は、新たな契約方式には慎重な姿勢であるが、値上げに対しては協組の動きに一定の理解を示している。4月以降の新規物件で交渉が本格化するとみられ、先行き、強含みの公算が大きい。

  • 再生砕石

    岡本
    先行き気配

    値上げ交渉は難航、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,200円と前月比変わらず。年度末にかけて解体工事が増加し、廃材の受け入れは高水準で推移している。メーカー各社は製造・輸送コスト増加分を販売価格に転嫁したい意向にあるが、安値販売も散見され、交渉の進展にはなお時間を要する見込み。メーカーは新年度に向けて新たな値上げを打ち出し、交渉に臨む構えだが、採算確保を重視する需要家は値上げの受け入れには慎重な姿勢。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 木材

    甲田
    先行き気配

    荷動き精彩欠くも、横ばい

     管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmでm3当たり80,000円と前月比変わらず。住宅向け需要が回復せず、盛り上がりに欠ける商況が続いている。競合品である輸入材の入荷量は減少しているが、代替となる杉への樹種変更の動きはなく、需要増加の兆しは見られない。荷動きが鈍い状況下、需要家の購入姿勢は厳しい。しかし、競合する輸入材が現地原木価格、輸送コストの増加などを理由に強含みで推移しており、これ以上の安値販売には至らない見通し。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    荷動きは精彩を欠くも、横ばい

     12×900×1,800㎜輸入品で枚当たり1,800円と前月比変わらず。1月の輸入合板入荷量は、20万2千m3で前年同月比11.2%の増加(財務省調べ)。荷動きは精彩を欠いており、市中にひっ迫感はない。流通筋は現地価格が高止まりしているため、採算確保を重視し、現行価格の維持に努めている。一方、需要家は小口当用買いに徹しており、市中に買い急ぐ動きは見られない。流通筋は需要好転の兆しが見えない中で決算期を迎え、売り上げ確保を優先する動きも散見される。目先、弱含みの見通し。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    荷動き低調で交渉進展せず、横ばい

     密粒度13でトン当たり9,700円と前月比変わらず。4~1月の都内出荷量は、143万トン(協会調べ)で前年同期比1.1%の減少。メーカー各社は、足元のストアス価格の上昇や輸送コストの高止まり分を販売価格に転嫁するため値上げ交渉を継続。一方、需要家は工事量減少による採算悪化を回避すべく値下げ要求を続けている。需要が盛り上がりを欠くなか、両者の隔たりは縮まらず、交渉はこう着している。需要回復には時間を要するとの見方が強く、先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 電線

    木村
    先行き気配

    銅建値上昇を受け、上伸

     IV1.6mm単線でm当たり35.2円と前月比0.6円の上伸。主原料である銅の建値は2月平均で129万円台と前月平均から3万円の上伸。高圧ケーブルはメーカーの新規受注停止が継続されており、納期の長期化が見込まれる。低圧ケーブルは新規受注が再開され、段階的に改善される見込みだが、多くの品種で需要がひっ迫しており、品薄感は払拭されず。需要家の先行手配が続き、納期遅延の解消には時間を要する見込みだが、供給不足に起因した高値販売は見られない。目先、横ばいの公算大。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    メーカー売り腰強めるも、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり6,670円と前月比変わらず。都心部では、多くの大型再開発物件が進行し、明るい兆しが見られるものの、中小物件は不振が続いており、足元の荷動きは鈍い。高炉メーカーは原料調達コストやエネルギー価格の上昇を理由に新年度に向けて値上げを表明。流通各社は、これまでの値上げ未転嫁分を含めた価格浸透を進めるべく売り腰を強めているが、採算悪化を懸念する需要家の抵抗が強く、値上げには時間を要するとの見方が強い。目先、横ばいの公算大。

  • 燃料油

    原田
    先行き気配

    原油相場は上昇も、国内市況は横ばい

     軽油はローリー渡しでリットル当たり116円、レギュラーガソリンはスタンド渡しで155円とともに前月比変わらず。緊迫化する中東情勢における紅海での海運リスクの高まりや、主要産油国による自主減産の延長合意を受け、原油相場は上昇。一方、国内は燃料油価格激変緩和対策事業の補助金により、流通各社の仕入れ価格は依然として抑制されており、小幅な動きに留まっている。現行制度は4月末まで継続されるため、大幅な価格変動は避けられるとみられ、目先、横ばいの見通し。

  • 鉄スクラップ

    永島
    先行き気配

    輸出価格がけん引し、2,000円上伸

     ヘビーH2でトン当たり45,000円と前月比2,000円の上伸。2月上旬に東アジア向けの輸出市場において、当時の国内相場よりも高値で落札された。一方で、国内の市中発生量は低調なままで、問屋筋の在庫量は減少傾向にある。これを受けて、必要量確保のため電炉メーカー各社が購入価格を引き上げたことで、市況は上伸した。足元では海外相場は軟調な展開となっているが、市中スクラップの発生薄が続いているため、今後需給はタイトになるとの見方が強い。目先、強基調の見込み。

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一般財団法人 建設物価調査会
  調査統括部 調査統括課
TEL:03-3663-3892