建設物価調査会

価格転嫁が進展、なお上昇傾向続く

1.はじめに

 ロシアのウクライナ侵攻が始まり、およそ3カ月が経過した。現状では終息への道筋は不透明との見方が強く、世界経済の成長減速の懸念が高まっている。建設資材価格の動向については、2020年半ば頃から鉄鉱石、銅、亜鉛などの鉱物資源や原油の国際相場上昇にともない、上昇気運が既に表れていた。

ウクライナを巡る情勢の悪化は、国際的なサプライチェーンの混乱、輸入資源の更なる高騰を引き起こし、加えて急激な円安の進行が大きなコストアップ要因となり、建設資材価格の上伸基調を一層強めた。

2.掲載価格の動向

 建設工事で使用される資材の総合的な価格動向を示している建設資材物価指数(4月)でも、建設総合全国平均で21カ月連続のプラスを示し、2021年1 月以降、最高値を更新し続けている(図表-1 参照)。 また、主要10 資材のベースサイズにおける全国の平均価格を2 年前と比較すると、特に鋼材、木材、電線、燃料油など原材料を輸入に依存している資材の上伸が顕著に表れている (図表-2 参照)。

建設物価 6 月号までの直近 3 カ月における主要資材(ベースサイズ)の価格動向を見ると、異形棒鋼は、全国各都市でトン当たり14,000~25,000 円上伸し、同H形鋼では5,000~10,000 円上伸している。地域特性の強い生コンでは、全国56都市でm3 当たり200~3,000 円上伸し、再生アスファルト混合物では全国198 都市でトン当たり100~3,000 円の価格上伸が確認された。

また、ステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミ圧延品、セメント、ストアス、仮設土木用木材、塩ビ管、せっこうボード、建築用断熱材、スクラップなどの価格も全国的に上伸している。東京地区においてはコンクリート型枠用合板、電線が最高値の更新を続けており、異形棒鋼は建設物価6 月号で初めてトン当たり12 万円を超え、過去最高値となっている。また、生コン(東京17区)は現下、過去最高値となっているが、6 月以降さらなる値上げを打ち出している。

3.今後の見通し

輸入資源の高騰が及ぼす影響は広範囲にわたり、素材や運搬費の値上がりが一次製品価格、二次製品価格へと波及すると見込まれている。これを受け、多くの資材・地域で販売価格の見直しが進められており、建設資材全般に上昇傾向が続く見通しにある。

一方、米国の金融引き締め、中国のロックダウンによって経済活動停滞に伴う影響も懸念され、引き続き情勢変化と最新の価格動向に注目が集まる。

図表-2 主要10資材の全国平均価格(単位:円)

注1. 主要資材の最新市況動向は、当会ホームページで毎⽉18 ⽇(⼟⽇祝⽇の場合は翌営業⽇)に更新しています
注2. Web 建設物価では資材の価格推移グラフや指定した時点間での価格変動が容易に確認できます
注3. 建設資材物価指数は、建設資材の総合的な価格動向を⽰し、分析・観察など幅広く活⽤されています


=問い合せ先=
⼀般財団法⼈ 建設物価調査会
 共通資材調査部 03-3663-0551
 調査統括部 03-3663-3892

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2022年5月18日掲載

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