ものづくりのやりがいやおもしろさを伝える 「けんせつ小町活躍現場見学会2016」に密着
「建設業での女性活躍を支援するプロジェクト」
当調査会では、「建設業での女性活躍を支援するプロジェクト」として、女性職員を中心としたプロジェクトチーム(愛称“チームひまわり”)を立ち上げています。第13回目は、一般社団法人日本建設業連合会が主催する「けんせつ小町活躍現場見学会2016」に参加した子供たちの様子を取材しました。
昨年に引き続いての開催
一般社団法人日本建設業連合会(以下日建連)では、夏休み期間中に女子小中学生およびその保護者を対象とした建設現場の見学会を開催しました。昨年に引き続き2回目の開催となる今年は、全国15箇所の女性技術者が活躍する建設現場で催され、実際の仕事も体験しながら工事現場の様子を見学できるというものです。
私たちチームひまわりも去る7月25日に開催された「東京外環自動車道 市川中工事」(施工:鹿島・大林・鉄建JV)の見学会に密着し、参加した子供たちの様子を取材しました。
まずは現場事務所でお勉強…
始めに現場事務所に集合した子供たち。入社1年目の鈴木ひかりさんから土木と建築の違い、現場で使う重機にはどんな種類があるのかなどの説明があった後、現場監督を務める貞廣育子さんから外環自動車道の簡単な概要とこの現場の作業内容や工事の流れの紹介があり、子供たちは熱心に耳を傾けていました。
説明が終わるといよいよ現場へ。ヘルメットに軍手、長靴を身につけて出発です。


いざ現場へ


現場事務所から道路を渡ってすぐのところに現場への入り口があります。少し緊張した面持ちの子供たちは技術者の方々に連れられて現場の中へ。地上から眼下に広がる巨大なコンクリートの構造物に驚きの声を上げていました。貞廣さんの現場説明の後、ここからさらに地下へ下りて、実際に外環自動車道が走ることになるトンネルへ向かいます。




地下への階段はなんと全部で74段! 元気いっぱいの子供たちもさすがに疲れた様子でした。
お仕事体験
階段を下りるとそこにはコンクリートに囲まれた広大な空間が。子供たちは大きくて長いトンネルに驚いた様子。
トンネルの中では、モルタルのメッセージホルダーの製作と墨出し作業体験会が行われました。メッセージホルダーはなかなかモルタルが固まらず、クリップを立てるのに四苦八苦。でも最終的には皆上手に完成させていました。
墨出し体験は、床に書かれた番号をつなげて絵を完成させるというもの。すぐにコツをつかむと素早く墨出して、瞬く間に絵が完成。チョークで色を塗るとおなじみのキャラクターの出来上がり!


最後に質問タイム
事務所へ戻って一息つくとお世話になった鈴木さんと貞廣さんへの質問タイムが設けられました。
Q :なぜこの仕事に就いたのですか?
鈴木:皆のためになるものを作ることがかっこいいと思ったからです。目の前でものが出来ていくことに喜びを感じます。
貞廣:実際に大きなもの作っているところを目の前で見たいと思い現場監督になりました。
Q :何を勉強すればこの仕事に就けますか?
鈴木:色々な知識が必要なのでまんべんなく勉強することが大切です。
貞廣:理系の知識が特に必要かと思います。苦手でも大丈夫。算数や理科を頑張ってください。

主催者である日建連の広報部にお話しを伺いました
日建連では、日本の総人口が減少に転じるなかで活力ある経済社会を維持するには女性のもつ能力を引き出すことが欠かせないという観点から、建設業において、もっと女性が活躍できる企業文化を早急に整える必要があると考えています。
そこで、建設現場で活躍する女性たちに接することで建設業を身近に感じ、そして建設業の仕事を理解してもらうことを目的に、2015年度より、女子小中学生限定の「けんせつ小町活躍現場見学会」を開催しています。
この見学会では、現場見学のほかにお仕事体験コーナーを設けて、鉄筋の結束や測量など職人さんの仕事の一部を子供たちに体験してもらっています。構造物が完成するまでの過程の見学や自分の手を動かしてなにかをつくるという体験から、ものづくりのやりがいやおもしろさを感じてもらい、見学会に参加した子供たちが、将来、建設業のさまざまな場面で笑顔で活躍してくれたらと願っています。

チームひまわり 現場レポート
2時間ほどで行われた見学会でしたが、各参加家族に担当技術者が1人付き、フォロー体制も万全。お仕事体験で夢中になって作業をする子供たちの横顔は、まさに将来のけんせつ小町そのもの。子供たちは実際の作業を通してより建設業に対して興味を持つことができ、充実した時間を過ごすことが出来たのではないでしょうか。建設業の就労人口減少に歯止めをかけるべく、このような未来の担い手に向けた建設業のいいところ、素晴らしさを発信する取り組みがもっと必要であると感じました。
実際に説明していただいた貞廣さん、鈴木さんはとても生き生きしていて建設業に対する情熱に溢れ、とてもエネルギッシュでした。伸び伸びと働いている2人を目の当たりにし、自分にとってもいい刺激になりました。
伊沢
