建設物価調査会

建設物価2021年3月号

国土交通省中部地方整備局 愛知国道事務所「 けんせつ小町・チーム“愛”」を表敬訪問

 2020年12月1日に、国土交通省中部地方整備局愛知国道事務所の「けんせつ小町・チーム“愛”」を表敬訪問し、東野竜哉事業対策官と高橋純子設計係長にお話を伺いました。

お話を伺った東野事業対策官(左)と高橋設計係長(右)

「チーム“愛”」とは?

 愛知国道事務所の事業に携わる産(建設会社・設計会社)と官の女性技術者で平成28年度に結成された「けんせつ小町・チーム“愛”」は、女性の入職促進や、すべての人が長く働ける建設業を目指して様々な活動を行っています。
 発足当初、メンバーは16名だったのが現在では61名となりました。行政がまとめ役となって、建設会社、設計会社、国家公務員、地方公務員など様々な分野の女性技術者による横断的な活動が評価されて、2019年度には(一社)日本建設業連合会主催の第4回「けんせつ小町活躍推進表彰」において『最優秀賞』を受賞しました。

事務所入口にはチーム“愛”のポスターが

普段はどのような活動をされていますか?

 現場見学会、勉強会を合わせて年に2~3回、そのほか定期的に意見交換会を行っています。最近では新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限され、なかなか集まることができていませんが、Web会議を活用し、情報交換の場は変わらず設けています。ただ、Web会議ではざっくばらんに意見を交換できないところが悩みです。

具体的な最近の活動を教えてください!

 「チーム“愛”」発足当初は、建設業で女性が働きやすい現場を考えたときに快適トイレや女性専用更衣室の設置等、ハード面を整えようという動きが主でしたが、現在ではソフト面の整備が強く求められています。女性だけではなく、建設業に携わるすべての人にとって少しでも働きやすい環境になれば、とコミュニケーションや意識面での改善、超過勤務縮減、休暇取得等の要望などをまとめた「意見集」を2020年3月に作成したところです。
 また、最近では2020年10月に『建設技術フェア2020in中部』にブースを出展し、就職活動中の学生に建設業の魅力を発信してきました。「チーム“愛”」の活躍をポスター展示したほか、学生たちと直接話をすることで就職への不安を少しでも払しょくできたのではないかと感じています。

チーム“愛”
イメージキャラクター
「愛未ちゃん」
チーム“愛”のイメージキャラクター「愛未(あいみ)ちゃん」はチーム“愛”のメンバーがデザイン。「未」は「土」と「木」があわさった字というのにびっくり!

「チーム“愛”」の今後の課題は?

 2019年度に行われた愛知県副知事との意見交流会において、当時の副知事より「女性が働くのは無理だ、と言われてきた他産業でもそれを乗り越えてきた歴史がある。他産業での工夫を、建設業で女性が働く環境づくりに活かせるのではないか。後輩たちが続いていけるよう、辞めずに長く続けて欲しい。」との言葉をいただきました。他産業ではどのような環境の中で女性が働き活躍しているのか、また、長く働き続ける環境がどのようなものなのか情報収集をし、それをどのように建設業で活かすことができるかを模索していくのが今後の大きな課題です。
 「すべての人が長く働ける建設業を目指して」、今後も活動をしていきます! 

「チーム“愛”」の今後のご活躍を私たちも、お祈りしています!!

チーム“愛”とチームひまわり、お互いの冊子を持って記念撮影!
※写真撮影時のみマスクを外しています。

チームひまわり 現場レポート

 「チーム“愛”」は、建設業界の中でも建設会社、設計会社、国家公務員、地方公務員と所属も様々な女性たちが一体となって建設業を盛り上げていくという、スケールの大きさと精力的な活動にびっくりの連続でした。「働きやすくするためにこうして欲しい!」をまとめた「意見集」はまさに建設業で働く女性たちの本音が詰まっていて、自分が読んでも納得の内容。情報を発信することが、これからの建設業を変えていくのだと改めて考えさせられました。
 もう一度、機会を改めて、「チーム“愛”」を深堀り取材させていただき、誌面で紹介できればと思います。

伊沢