建設物価調査会

建設物価2022年6月号

皆が生き生きと働ける職場を目指す京都市建設局を訪ねて

京都市建設局で働かれている女性技術職の代表の方3名にお集まりいただき、お話を伺いました。その様子をご紹介します。


道路建設部
道路環境整備課

事業促進担当課長
藤井 那保子さん


建設企画部
監理検査課

検査第3係長
隂地 尚子さん


建設企画部
監理検査課

技術管理第1係長
小山 望さん

※写真撮影のため、マスクを外している場合があります。

京都市建設局に入庁したきっかけは?

小山さん

学生時代から農業土木を学んでいました。就職するタイミングは丁度就職氷河期で、民間企業では「女性を受け入れる体制がない」と言われ、就職試験を受ける前に断られていました。
そんな中で公務員なら女性も働ける環境があり、企画から維持管理まで携われるということにも魅力を感じて入庁しました。出身は大阪ですが、母親が京都の中心地で呉服屋を営んでいた影響で、京都の文化に触れる機会が多く、ここで仕事がしたいなとも思っていました。

隂地さん

学生時代は衛生工学分野で、水質汚濁等の研究をしていました。学校の先輩で京都市役所に勤めている方がいたので、研究内容と近い仕事ができるかなと思っていました。
就職活動をしていた時は幸い氷河期時代ではありませんでしたが、当時の教授からは専門分野に女性が少ないことを理由に「民間企業は就職が厳しいかもしれない」と言われていました。そこから公務員を目指してはどうかという話になり、地元である京都市役所への入庁を決めました。

藤井さん

京都出身ですが、名古屋の大学で6年間土木工学分野の都市計画についての研究をしていました。私は最初から公務員志望でした。母親がずっと働いていた所を見ていて、「自分も仕事を一生続けたい」という思いが根底にあり、それならば公務員かなという思いを持ちました。

コンサルやゼネコンなら事業の一部にしか携われないですが、役所の仕事なら設計から一貫して事業に携われる、発注者という立場でこそできる仕事もあると思ったからです。大学で京都を出て名古屋に行ったことで、「京都っておもしろい街だな」と、改めて良さを感じ「京都に帰ってきたい」と思ったことも京都市役所を選んだ理由です。


皆さん京都という場所に魅力を感じて就職されていますが、京都の良さとは?

小山さん

京都の人が京都を愛しているところが良さだと思います。例えば毎日家の前を掃除したり、水をまいたり、そういう些細なことと思われるようなことにも、すごくプライドを持ってやっている感じがあります。誰かにやれと言われたからではなく、自分からやっている。そういう京都愛みたいなものが随所にみられます。そういうところが京都に住み続けたい人が多い理由かなと思います。

藤井さん

街の至るところで四季を感じられる所ですかね。季節の祭り、季節のお菓子、季節の行事が年中街でみられます。祇園祭の時には「もう夏休みやな」と感じます。京都では毎年6月30日に「水無月」というお菓子を食べるのですが、そういう習慣は他の県ではあまりないかもしれません。街を歩いているだけで、日本の四季や自然を感じられて、京都の町っておもしろくて、居心地がいいなと思っています。

隂地さん

旅行が好きでよく行くのですが、旅先で「どこから来たんですか?」という話になっても、京都といえば皆に伝わります。海外に行っても京都と言えば通じますし、世界に広く知ってもらえています。他の人から「京都っていい所だよね」と言ってもらえると誇りを感じますし、その良さを再実感します。


入庁当初のエピソードを教えてください。

小山さん

就職したときは、まちづくりがしたいと思っていました。特にこれがしたい!というものがあったわけではないですが、発注者の仕事は設計から工事まで携わることが出来るというイメージがあり、それは面白そうだなと思っていました。

隂地さん

学生時代の研究から漠然と上下水道局の関係部署に行くのかなと思っていましたが、建設局の区画整理の部署に配属され、全然違う所に来てしまったなと思いました(笑)。その戸惑いよりも、今まで女性が1人も居なかった部署だったので(初めて配属された女性技術職)、周りも「どうしたらいいんだろう」「どんな仕事をさせたらいいのだろう」と戸惑っていた感じがありました。女性用更衣室もなかったですし、トイレも本庁舎で男女一緒のトイレでした。

私が入ったときは土木事務所には誰も女性がいなかったので、慌てて女子トイレを作られたように記憶しています。今でこそ、そんなことは言われませんが、昔は「トンネルの中は女性が入ったらダメ」とか、「女性技術職を連れて行くと言ったら断られた」とか「傷つくといけないと思って言わなかったことも色々あったんだよ」と後に先輩方から聞きました。

藤井さん

私も入庁当初は男子トイレに入るときに「女子」と札を替えて入っていた記憶があります。本庁の更衣室ですらカーテン一枚で仕切られているだけのような感じでしたね。仕事面では市役所でどんな仕事ができるのかを具体的に分かっていませんでした。

現在のように、インターネットなどを通して色々なところから情報を得ることができなかったので、配属されたときに、自分の想像との違いに衝撃を受けました。でも、色々な仕事の積み重ねでやりたいことを1つずつ見つけていった感じです。


今の業務とやりがいを教えてください。

小山さん

今は監理検査課の技術管理係で、内部の職員向けの仕事が多いです。違算等による入札中止が増えている現状があり、どうしたら違算がなくなるか、どうしたら業務を効率化できるかを考えています。それぞれの所属ごとに担当者に困っていること等をヒアリングし、ミス防止や効率化のために変えられる制度や決まりは変えていこうと奮闘しています。

例えば刊行物に掲載のない積算単価を設定するための特別調査については、調査会社への依頼ルールを見直すことで、手間を減らしました。また、見積参考資料の書き方をシンプルにすることで単純ミスが減り、資料作成にかけていた時間も削減されました。

上司からすれば「そんな細かいこと?」というようなことも、少しずつ変えていくことで、担当者の方に喜んでもらえています。こういう前向きな変更ができるのも、今の立場になったからこそだと思っていますし、周りから「ありがとう」と言われると頑張って変えてよかったなとやりがいも感じます。

隂地さん

小山さんと同じ監理検査課にいますが、検査担当になります。私を含めた検査職員3人で、建設局が発注した500万円以上の工事について、書類検査や出来高不足がないか等を確認しています。また、新規採用者向けや、色々な技術等に関する研修も担当しています。 

検査の仕事は工事にあわせて多種多様なので、過去に担当したことのない分野についても知ることができることが、とても面白いと感じています。また、新規採用者向け研修を担当したことをきっかけに、若い方がどんなことに悩んでいるのかを知り、「できるだけ話しかけやすい、相談しやすい人になろう」と心掛けるようになりました。相談してきてくれた方が検査の時に成長している姿をみると、やりがいを感じます。

自分の経験から、相談できる相手がいる心強さや、フォローしてくれる人がいるという安心感は大事なことだと思っています。若い職員も増えていますし、些細な悩みでも相談できる人がいると思ってもらえるように「すぐに答えは返せないかもしれないけど、何かあったら相談してね」と伝えています。私ができることはやってあげたいと日々思いながら仕事をしています。

藤井さん

所属する道路環境整備課はバリアフリー化と無電柱化事業の設計計画から工事までをやっている部署で、そのなかで私は無電柱化を担当しています。電線を管理する事業者と協議をすることや、色々な所での無電柱化PRを行っています。京都という土地柄、景観を大切にしたいという住民の方々からの要望も多いのですが、今年度は予算の関係から景観路線の工事を見送る状況になってしまいました。

現在は設計計画や完成予想図作成、地元調整などに力を注ぎ、予算が付いたらすぐ実行できるような合意形成を進めています。京都では無電柱化が2%くらいに留まっていて、まだまだ進んでいないのが現状です。景観を大切にしている地域には景観協議会のような組織があって、そこの方々を中心に無電柱化を進めてほしいという意見があります。

一方で、計画自体には賛成でも、「自分の家の前に地上機器を置かないでほしい」という方や、「電柱を抜いたら車がスピードを出すかもしれないから危ないのでは?」と危惧される住民の方もいます。そういう様々なご意見をお聞きし、調整をしています。私も経験してきていますが、工事の仕事はどれもすごく大変です。
私の課には若手が多くいます。そういう若い世代の人たちにも楽しくやりがいをもって働いてもらえるような環境を作ることが今の私のやりがいとなっています。




就職前と後のギャップなどはありましたか?

小山さん

思っていたよりも土木工事は影響の範囲が広いというところです。建築工事の影響の範囲は建物周辺だけですが、土木工事は道路一つ補修するにも警察から地元住民の方まで影響しますので、周囲の方々との調整がすごく多いと感じました。自分がどうしたいかという意思は持ちながらも、色々な方のお話を聞いて調整し、出来る限りたくさんの人がいいと思ってくれるものを作らなければならないという難しさがあります。

たくさんの人が関わって、細かい調整が積み重なって工事が進んでいくため、技術力も必要ですが、コミュニケーション能力や人間力が必要だなと強く感じました。「仕事なので来ました」という感じでは何も伝わらない、信念や熱意をもって人と接しなければならないと思いました。

隂地さん

公共事業は100%みんなが賛成という結果がなかなか望めない、ということを学生時代に意識していませんでした。賛成のご意見、反対のご意見、その他様々なご要望があります。もちろん、こちら側の意見だけを押し通すわけではないのですが、要望にも実現できるものと、できないものがあり、最終的にはある程度我慢してもらわないといけないことが残ります。全てがベストとはならない難しさがあり、落としどころが難しいと感じました。

藤井さん

自分の好きなようにはできないと言うところです。どんな工事でも色々なところで合格点をとっていかなければなりません。個人としては「こうしたら、もっといいものになる」と思っても、制約がありできないことが多いのが現実です。でも一番大切なことは「最後に安全なものがしっかりできている」かというところです。構造上の安全は絶対譲れませんので最重視しています。自分の意志も持ちながら、折り合いをつけて工事が進むようやっています。


皆さん難関資格を持っていらっしゃいますが、資格取得などは推奨されているのですか?

小山さん

私が仕事をし始めた頃は、市民の方に土木職に女性がいるということがあまり知られていませんでした。電話をとって話をしていても、「男性の人に代わってもらえますか?」と言われたり、作業着を着て話をしていても技術職と思ってもらえていなかった経験がありました。私は技術系の仕事をしていて、ちゃんと知識がありますということを分かってもらわないといけないと思ったのが資格取得を目指したきっかけです。その話を先輩にしたところ、仕事が終わってから有志で集まって勉強会をしていると教えてもらい、そこでみんなと勉強をして技術士をとりました。

隂地さん

区画整理を担当した当時、その分野の仕事を全くやったことがなく、内容が分からないから何をしていいか分からないという状態でした。そんな中、「資格の内容と仕事が直結してくるし、せっかくなら資格取得を目指して勉強したらどう?」と当時の上司に勧められたことが、資格を取得したきっかけです。資格取得後に別の部署に移りましたが、また区画整理の仕事に戻った時に、知識があるという証明のためだけではなく、勉強して内容を理解できているということは必ずプラスになると思っています。

藤井さん

一級土木施工管理技士を取った理由は、施工業者の方達が何を考えて、どういう基準に則って話をしているかを知りたかったからです。そのほか小山さんが資格取得した理由と同じ部分もあります。技術士の資格はとってみてから思ったのですが、色々な部署を経験し、知識も得ていく中でも自分を見失わないための指針になったと感じています。自分の中での技術者としての重しみたいなものかなと。建設から離れたところでも自分が何者なのかを忘れないための資格なのだと感じています。



職員が長く就業するためにあってよかったと思う制度はありますか?

小山さん

家族の事情などを柔軟に対応してもらえている実感があります。良い制度は十分整備されていると思いますし、それを利用しやすい雰囲気もあると思います。結婚や出産で辞める人は少なく、「仕事を控えめにしたい」という要望なども状況に応じて聞いてもらえる環境があると思います。

私が1人目を出産した時は建設企画課にいました。そこは仕事も忙しく、残業は当たり前という感じで、子育てには不向きと思われていた部署でした。無理なものは無理と、ある程度は割り切って、他の皆さんが残業でも定時で「失礼します!」と帰っていましたが、そうしたことで雰囲気が悪くなることもありませんでした。色々思うところがある方もいたかもしれませんが、職場のみんながサポートしてくださったおかげで育児と仕事の両立ができていました。

藤井さん

誰もが迎えることだと思いますが、私は去年まで父親の介護をしていました。京都市では介護休暇はありますが、それに加えて周りの方々の理解や支援、優しさがすごくあって有難かったです。管理職が「急に帰らないといけなくなった」と言っても、みんなでフォローしあってやってもらえる雰囲気と、それで対応ができる環境があると感じます。

男性が育休を取り出したくらいから職場環境に対する意識が変わってきた気がしますね。子育て、介護、病気などは誰もが同じ状況になり得ます。そういうなかでも、誰もが働き続けられる環境の重要性をみんなが理解して、サポートしあって働けています。その雰囲気があるところがここの良い所だと思います。


お子さんがいるなかで仕事をするにあたって、工夫されていることはありますか?

小山さん

私には10歳と6歳の子供がいて、突然子供を迎えに行かなければならなかったり、突然休まないといけなくなったりします。そういう状況でも、上司や部下の誰が見ても自身の仕事の進捗が分かるようにできるだけ情報を共有するように心がけています。

自分の職場の理解だけでなく、旦那さんの職場の理解も必要だなと感じています。今は旦那さんは遅く出勤、私は早く出勤して時差を作り、協力しながら子供の送り迎えをしています。コロナ禍前は旦那さんが始業時1時間の育児休暇をとっていました。その影響で残業して夜遅くなることもあるため、自分は朝早く出勤して夜は早く帰るよう工夫していました。


女性が建設産業で活躍するためにどのような体制があったらいいと思いますか?

藤井さん

昔と比べると、だいぶ働きやすくなったと思います!現在建設局には40~50人くらいの女性技術者がいます。建設局全体では400人くらいですので、1割くらいが女性です。今はちゃんと女性用更衣室もあるし、特段女性だから働きにくいとか、そういうことはないかなと思います。

小山さん

私は建設局内でだいぶ先輩になってきましたので、育児休暇をとっている若い職員、これから仕事に復帰する職員が相談に来てくれることもあります。その中でまだ復帰してもいないのに、「私にはできない。早く帰れる部署に行きたい…」「もう仕事を辞めてしまおうかな」という方もいます。やってみないと分からないと思うし、私のように残業が多い部署で復帰になっても、育児をしながらでも働くワークスタイルが職場で当たり前になれば、そう思う人も減るのではないかと思っています。

「子育て職場」のような部署があり、育児休暇から復帰した女性たちはそういう部署への配属を望む傾向にありますが、むしろそういうことがなくなって、どの部署でも女性が子育てという事情を抱えながらでも働くことが当たり前になったら、逆に働きやすく、働き続けることができるような環境に変わっていくのではないかと思います。育児や介護は女性だけに限ったことではないですし、職場がそういう風に変わることが皆にプラスになるのではないかなと感じています。

多くの女性たちは、出産をして復帰することをネガティブに捉えがちだと思います。どこに行ってもみんなが支えてくれるはずなのに、必要以上に不安に思ってしまっているところが残念ですね。本来はそんな風に思わなくていいし、どこに復帰しても、自分の好きなことをやればいいと思います。そんな風になれば、性別関係なく働きやすくなるし、女性がもっと活躍できるのではないかと思います。


今後の目標と後輩に一言! 今後の建設産業こうなっているといいなと思うことは?

小山さん

子育て中の方が私をみて、「楽しそうに仕事を続けているな」と思ってくれるようにしたいです。技術力もいりますが、人間力がすごく大切。いろんな経験を通じて自分を高めて欲しいです。建設産業は道路や河川といった日常に密着したものを対象にしている産業のはずなのに、とても遠くのものと感じる方が多いと感じています。建設産業が色々な方にもっと身近なものと感じてもらえるようになったらいいなと思います。

隂地さん

仕事は仕事で大事ですが、自分の時間も大切です。私はメリハリをつけた働き方をするように心がけています。後輩にもそうあってほしいと思っています。自分の時間を充実させることが次の仕事のモチベーションになると思います。健康には気を付け、体力もつけていきたいですね。また、女性がもっと建設産業に増えたらいいなと思います。男性でないとできないということはないですし、性別関係なく、みんなでこの産業を盛り上げていきたいです。

藤井さん

この先の建設産業を考えたときに、今あるものの維持管理だけになっていくのかなと思っている人もたくさんいると思います。実際には維持管理だけではなく、道路の質を高める検討や、道路の別の使い方の検討なども始まっています。今ある資産をどう使うか、若い方たちの視点もあわせて一緒に考えていければと思っています。

今の中堅職員たちが持っていない考え方をきっと若い方たちはもっているはず!考えを出し合えば、いろんなことができます。楽しく仕事をしよう!未来は車が空中を走ったりして、きっと今の常識が変わっていくだろうなと思っています。そういう建設産業の未来に携わっている自分でいたいです。

道路や公園等の損傷個所投稿アプリ
「みっけ隊」

みっけ隊ホームページ

https://mikketai.city.kyoto.lg.jp



働きやすい職場環境の構築を目指して

建設企画部 建設総務課 労務係長 
          久村 徳宏さん

京都市役所では長く働くためにどのような制度がありますか。

女性が長く働く環境づくりとして、地方公務員全体の制度である育児休業などの諸制度は整っています。育児休業は3年間取得可能です。最近の状況ですと、女性の方が育児休業を取られるだけでなく、男性で育児休業を長期で取得されている方もいて、選択肢が広がってきています。ここ3年間は例年5名前後男性の育児休業取得の実績があります。

 私の部署では育児休業などを取得するための環境作りやバックアップ体制を整え、制度利用のサポートをしています。長期間休業を取得する方が抜けた職場のフォロー、休業された方が仕事に戻る際の復帰先の検討など、「ライフワークに合った職場」を意識した環境整備などをおこなっております。

京都市独自の制度はありますか?

 本庁では育児休業された女性職員が復帰する際には、所属する課に約半年間アルバイトの方に入ってもらい、仕事の補助をしてもらっています。雑多な業務などで夜遅くまで残る必要がないように、可能な範囲ではありますが、分担して仕事ができるよう配慮しております。制度にとらわれ過ぎず、出来る限り職員からヒアリングした内容を反映できるよう、柔軟な対応を心がけています。 

 こうした休業制度となると育児やライフプランを大事にするということだけが注目されがちですが、京都市建設局の技術職の方々は制度を利用しながらも、キャリアアップしていこうというモチベーションも高いと感じています。男女を問わずキャリアアップ試験への受験率も高くなっていますので、建設局の方々には今後どんなスキルを身に付けたいかなどを丁寧にヒアリングして、今後のキャリア方針を考える機会を設けたりしています。そうしたことはハード部局独自の取組であり、技術力を確保するために必要なことだと考えています。

  その他にも、資格取得の推奨もしております。具体的には技術士を取得していると係長認定試験の試験科目が免除になったりする制度もあります。経験に応じて昇進する場合もありますが、長く勤めていれば自動的に昇進するというわけでもありません。

建設局は他局と比較して昇進試験を受験して昇進していく方が多くなっています。働く上で今後のキャリアアップを考える機会があるのは大切なことだと考えます。一つの分野のスペシャリストになる方もいれば、ゼネラリストになる方もいます。労務担当がそれを一方的に決めるのではなく、所属や状況に加えて個人のキャリア志向なども考慮したスキルシートというものを利用し、面接等で本人の希望などを聞く機会も設けています。



チームひまわり 現場レポート

 少し前までは女性の技術者は本当に少なく、今回インタビューさせて頂いた皆さんは女性技術者の先駆けで、過去には色々なご苦労もあったそうです。そして、様々な世代が集まる職場という環境では、お互いを理解するためにもコミュニケーションが大切で、皆が協力し合っているからこそ、今のような働きやすい職場になっていったというお話が印象的でした。 

 京都市役所では職員の方々が主体的に仕事ができるように柔軟に対応されていて、それによって働く方々の意識も良い方向へ変わっており、建設業における女性活躍は次のステップへ進んでいると感じました。

正解がないからこそ、変わり続ける環境へ柔軟な対応をしていける組織づくりが職場の良い循環になり、今後の更なる建設業界の発展へと繋がっていくと感じました。取材では様々なお話を聞くことができ、皆さんの今後の更なるご活躍を楽しみにしています。

髙木